目先は52ドル(終値ベース)を底に、材料次第で60ドルを試す展開か

 目先の原油相場は、本レポートで触れた、米中貿易戦争が激化したことで米中両国の経済指標の悪化が確認されたこと、などの複数の下落要因が作用し、上値の重い展開が予想されます。

 しかし、米中貿易戦争が合意に向けた具体的な進展がみられる、産油国においてサウジ・ドローン事件規模の大規模な供給減少が発生する、サウジの原油在庫がさらに減少する、などの材料が出た場合は大きく反発する可能性があります。

 今年2月以降、WTI原油先物は日足の終値ベースで、52ドルを底値圏として推移しています。本日(10月21日)午前時点で、53.70ドル近辺で推移しているWTI原油価格は比較的、直近の安値水準にあると考えられます。

 その意味では、下落要因は複数あるものの、下値は限定的、むしろ材料次第で上値を伸ばしやすい環境にあると考えられます。米中貿易戦争および米欧貿易問題の改善、産油国での生産減少などが同時に起きれば、短期的に60ドルを試す場面もあると考えています。