日銀と並び「自社株買い」も巨額の買い手に

 

 日銀と並んで、「自社株買い」【注】も巨額の買い手となりつつあります。

【注】自社株買いとは
上場企業が、株主還元の一環として、自社の株を買うこと。「NTTドコモがNTTドコモ株を買う」「三井住友FGが三井住友FG株を買う」のが自社株買い。自社株買いを行うと発行済み株式数が減少するので、1株当たり利益が増加する。1株当たり利益の増加によって、株価が上昇する可能性が高まる。

 事業法人が、毎年数兆円規模で日本株を買い越していますが、そのほとんどが自社株買いです。ただし、自社株買いは、事業法人の市場取引だけでなく、金融法人の市場取引や、事業法人・金融法人の市場外取引でも出ています。すべての自社株買いを合わせると、2018年度(2018年4月~2019年3月)は6兆円超ありました。2019年度(2019年4月~2020年3月)は、10兆円超の自社株買いが出る見込みです。そうなると、日銀買いを超えて、日本株最大の買い手となります。

 日本の上場企業は100兆円あまりの現預金を保有しており、財務良好な日本企業から、今後も高水準の自社株買いが続く見込みです。