米利下げでも円高が進まなかったことはポジティブ

 為替市場では、世界的に株が下がると「リスクオフの円高」が進み、世界的に株が上がると「リスクオンの円安」が進む傾向が続いています。9月に入り、世界的に株が反発している流れを受け、円安が進んでいます。

 9月18日には、0.25%の米利下げがありました。日米金利差の縮小は円高材料ですが、それでも、円高は進みませんでした。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、今回の利下げは景気悪化に備えた「予防的利下げ」とのスタンスを崩さず「年内のさらなる利下げ」を示唆しなかったことから、米利下げに打ち止め感が広がったことも、円高が進行しなかった理由です。

ドル/円為替レート推移:2018年1月1日~2019年9月23日

 今後、ドル/円がどう推移するでしょう。それは、米中貿易協議の行方と、それを受けた世界の株式市場の動きにかかっていると考えられます。合意が近いとの期待から世界株高が進めば円安、対立激化で世界株安が進めば円高になると考えられます。為替市場でも、米中協議の行方が重要イベントとなっています。