次の注目は「米中貿易協議」

 FOMCを通過し、次の注目は、米中貿易協議に移っています。来年大統領選挙があり、野党(民主党)候補の追い上げを受けているトランプ大統領は、米中対立をこれ以上エスカレートさせない方針に転じている可能性もあります。懸案事項を先送りして年内になんらかの形で米中合意にこぎつける姿勢が見えてくれば、株式市場に大きなポジティブ・サプライズとなり、世界的な株高につながるでしょう。

 一方、トランプ大統領が、大統領選にかまわず米中対立をエスカレートさせる強硬策に出れば、再びトランプ・ショックの株安が起こることもないとは言えません。

 日経平均は、米中協議の行方が見えてくるまで、大きくは動きにくい展開と考えられます。

日経平均株価週足:2018年1月4日~19年9月18日

 日経平均は2018年1月以降、5回のトランプ・ショック(トランプ政権が米中対立をエスカレートさせる政策を発動し世界株安を招いた局面)に見舞われています。それを、上のグラフで5つの下向きの矢印で示しています。

 2018年1~9月は、世界景気が好調な中、トランプ・ショックと米金利上昇の不安で急落した局面が2回ありました(緑の矢印で表記)。不安が緩和する局面では、世界的に株が上昇し、日経平均も上昇しました(上記水色の矢印)。

 2018年10月~2019年9月は、世界景気の減速が鮮明になる中、トランプ・ショックと世界景気悪化の不安で急落した局面が3回ありました(赤の矢印で表記)。不安が緩和すると世界的に株が上昇しました。9月に入ってからは、不安緩和による株高局面となっています。

 米中協議が進展しないことには、日本株の上値は重いままと考えられます。ただし、日本株は買収価値や配当利回りから割安で、日本株は良い買い場を迎えているとの判断は変わりません。不安材料があって株価が割安なうちに、日本株を買い増ししていくことが長期的な資産形成に寄与すると考えています。