5.銘柄コメント:カプコン

 今回はカプコンに注目します。

 私がカバーしている他のゲーム銘柄については、以下の楽天証券投資WEEKLYを参照してください。

任天堂:楽天証券投資WEEKLY2019年8月9日
バンダイナムコホールディングス:楽天証券投資WEEKLY2019年8月16日
ソニー:楽天証券投資WEEKLY2019年8月23日

 カプコンの2020年3月期1Q(2019年4-6月期)は、売上高179億3,800万円(4.3%増)、営業利益77億300万円(同50.9%増)となりました。今1Qの主要タイトルは全てリピート販売で、「モンスターハンター:ワールド」(2018年1月26日発売)68万本、「デビルメイクライ5」(2019年3月8日発売)39万本、「バイオハザードRE:2」(2019年1月25日発売)39万本でした。新作がなかったため、新作発売時の開発費の償却がなく、営業利益率は前1Q29.7%→今1Q42.9%と向上しました。

 今2Qは、9月6日に「モンハン:ワールド」の大型拡張コンテンツ「アイスボーン」が発売されました(ダウンロードカードで4,800円)。今期の新作ソフトは「アイスボーン」だけですが、完全新作とは違い開発費が比較的安いため、高採算が期待されます。「モンハン:ワールド」の2019年6月末累計販売本数は1,310万本ですが、このうち40~50%のユーザーが「アイスボーン」を購入すると会社側は想定しているもようです。また、「モンハン:ワールド」本編と「アイスボーン」のパッケージも発売しています。

 これについては、9月13日付けで会社側は「アイスボーン」を全世界で250万本出荷したと発表しました。順調な出だしです。「モンハン」ユーザーは極めて熱心なゲームファンが多いため、「アイスボーン」の売れ行き好調が予想されます。今期会社予想業績は、売上高850億円(前年比15.0%減)、営業利益200億円(同10.2%増)ですが、楽天証券では売上高865億円(同13.5%減)、営業利益210億円(同15.7%増)と予想します(拡張コンテンツは通常のゲームソフトよりも価格が安いため、今期は減収になる見通しです)。

 2021年3月期、2022年3月期は大型タイトルの発売が予想されます。2017年1月発売の「バイオハザード7レジデントイービル」の次回作が、開発期間を4年とすると2021年3月期(おそらく下期)に発売される可能性があります。また、2018年1月発売の「モンハン:ワールド」の次回作が2022年3月期に発売される可能性があります。

 このため、2021年3月期、2022年3月期とも安定成長が予想されます。

 今後6~12カ月間の目標株価を3,400円とします。2021年3月期楽天証券予想EPS 158.3円に想定PER20~25倍を当てはめました。前回の3,000円から引き上げます。投資妙味を感じます。

表1 カプコンの業績

株価    2,745円(2019/9/12)
発行済み株数    106,751千株
時価総額    293,031百万円(2019/9/12)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。

表2 カプコン:セグメント別損益

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成

表3 デジタルコンテンツ売上高内訳

単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成

本レポートに掲載した銘柄:カプコン(9697)