金(ゴールド)の健闘

 先週のドル/円の下落、株安、金利低下という相場環境の中で際立って健闘していたマーケットがあります。それは金(ゴールド)市場です。

 金はニューヨーク先物市場で一時、6年4カ月振りに1トロイオンス=1,500ドル(※)を超えました。また、東京商品取引所でも金先物は、ドル/円が円高に動いたにもかかわらず健闘し、終値として6年4カ月振りに1グラム=5,000円台に乗せました。米中対立が金相場を押し上げたようです。

(※)金価格は国際価格では「1トロイオンス=何ドル」と表示されますが、国内では「1グラム=何円」と表示されます。トロイオンス(略称オンス)は貴金属などに用いられる質量の単位で、1オンス=約31.1035グラム。

 伝統的に金や日本円は安全資産としてみなされ、投資家が金融市場への投資に慎重になったときに買われやすくなる傾向があります。世界景気減速による株の割高感、Brexit(ブレグジット:英国のEU[欧州連合]離脱)や、中東の地政学リスクの高まり、香港情勢などによって金投資への関心が高まってきています。世界的な低金利の環境も金を買いやすくしている背景のようです。