7月利下げなしならマーケットを警戒

 議会証言で利下げを示唆しても、7月利下げのニュアンスが出ない場合は、マーケットは失望し大きく反応することが予想されるため、警戒しておく必要があります。しかし、株安、金利高、ドル高の反応は一時的な動きと予想されます。なぜならマーケットは、30~31日のFOMCでの結果を見極めるまでは利下げ期待を後退させることはないと考えられるからです。

 30~31日のFOMCで、もし、利下げがない場合、ドル/円は110円台を中心とした値動きに戻すシナリオが想定されます。しかし、米中貿易協議が進展していない環境下では「経済成長への持続へ適切な行動をとる」との方針は変わらないことが予想されるため、8月以降の利下げ期待がすぐに浮上し、110円台まで戻す勢いが削がれることも予想されます。

 また、8月以降の利下げ期待は、7月利下げがあっても浮上することが予想され、利下げという材料出尽くしから円安に戻しても、一時的な反応と予想されます。

 5日の金融政策報告書の公表、10~11日の議会証言、30~31日のFOMCと金融政策に関わるイベントが続き、マーケットは一喜一憂しながら上下に振れることが予想されます。

 ここに紹介したのは一つのシナリオです。皆さんも注目ポイントに留意しながら、シナリオを想定してみてください。