米雇用統計で利下げ期待はほぼ消滅
G20(主要20カ国・地域)首脳会議、米中首脳会談、米朝電撃首脳会談とビッグイベントが終わったことから、マーケットの焦点は、米国金融政策に移りました。
先週5日(金)に発表された米雇用統計。平均賃金は伸び悩みましたが、NFP(非農業者部門雇用者数)が予想を大きく上回ったため、結果的には金利高、ドル高の反応となり、ドル/円は108円半ばで先週を終えました。
この雇用統計を受けて、米国経済はしっかりしているのではないかとの見方からFRB(米連邦準備制度理事会)の7月の利下げ幅0.50%の期待はほぼ消滅しました。しかし、雇用は堅調ですが、他の経済指標は弱い数字もあり、物価も低水準のため0.25%の利下げ期待は根強く残っているようです。
今週のドル/円の動き、思惑は?
ドル/円は今週に入っても円安に進んでいます。
先週末から今週にかけて円安に動いているのは、大幅利下げがなくなった失望感によって、一時1ドル=107円割れとなった水準から戻しているとみれば分かりやすいかもしれません。しかし、大きく円安に戻らないのは、大幅利下げはなくとも利下げはあるだろうとの期待が残っているためであり、110円台を中心とした値動きから108円台を中心とした値動きへと水準が下がった状態が続いているのは、このような背景があると考えられます。