【シカゴとうもろこしとシカゴ大豆】

キーワードは、作付面積、天候不順、作柄悪化...

 

 次に、シカゴとうもろこしとシカゴ大豆です。

 図:シカゴとうもろこしとシカゴ大豆の2019年上半期の年初来騰落

2019年1月始値を100として指数化
※目盛は90.0~150.0
出所:CMEのデータをもとに筆者作成

 

 シカゴとうもろこしとシカゴ大豆は、年初から5月上旬にかけて下落しました。世界最大級の穀物輸出国である米国において、3月末に公表された作付け意向面積(農家が今年予定している作付けの面積)が過去最高水準となり、今年の9月以降に収穫される数量が多くなるとの見方が強まったためです。

 また、大豆においては、米中貿易戦争の折、中国が米国産大豆の輸入の際の関税引き上げ対象としているため、米国産大豆の中国向け輸出が減少し、米国国内の在庫が積み上がったままとなっていることが下落の一因とみられます。

 しかし、5月上旬に入り、作付けの進捗状況を示すデータが出始めると、とうもろこし、大豆ともに、天候不順のため作付け作業の進捗がよくないことが明らかになってきました。作付け作業の進捗の遅れに加え、作柄もさほど良くなく、収穫量が予想を下回ること、収穫ができたとしても一部に品質に難があるものになることが予想されたことが要因となり、価格は上昇し始めました。

 6月28日にUSDA(米農務省)が公表したデータによれば、作付けについては、とうもろこしは平年より数週間遅れたものの98%まで挽回。大豆は挽回しきれず94.6%に程度にとどまったと見られます。

 とうもろこしと大豆市場の2019年上半期のキーワードは、作付け面積(予定と実際の両方)、米中貿易戦争、天候不順、作柄悪化だったといえます。