【原油】

キーワードはOPECプラスの減産、米中貿易戦争、米国の原油在庫、中東情勢

 以下はNY原油の値動きです。

 図:NY原油の2019年上半期の年初来騰落

2019年1月始値を100として指数化
※目盛は90.0~150.0
出所:CMEのデータをもとに筆者作成

 

 2018年12月に合意し、2019年年初から始まったOPECプラス(石油輸出国機構=OPECと、非加盟国で構成される組織)の協調減産実施を受けて、世界の石油供給が減少する観測が高まり、同時に株価が堅調に推移したことで石油消費が増加する期待が高まりました。世界の石油の需給バランスが引き締まるとの見方が強まったことなどを受けて、原油価格は上昇しました。

 その後、中国が米中貿易戦争の折、米国産原油の輸入を減らしたことで米国の原油在庫の増加が目立ったことなどを受けて下落。しかし6月に入り、中東情勢の悪化、OPECプラスの減産が7月以降も継続するとの見方が出たことなどで上昇しました。

 原油市場の2019年上半期のキーワードは、OPECプラスの減産、米中貿易戦争、米国の原油在庫、中東情勢だったといえます。