米中・日米・日中首脳会談の評価

 重要な時期に、重要な首脳会談がたくさん開かれたことで、6月28~29日のG20大阪サミットは、きわめて重要なイベントとなりました。日本株にとって、特に影響が大きいのは、米中・日米・日中の首脳会談でした。以下の通り、ポジティブな内容でした。ただし、重大な懸案事項は、議論しないまま先送りした形となりました。

 大阪サミットは成功裏に終わった理由は、トランプ米大統領が安倍首相に非常に協力的であったためです。トランプ大統領は、日米首脳会談では日本への厳しい要求は封印したままでした。また、米中首脳会談でも、中国に対する強硬姿勢を見せませんでした。結果的に、米中・日米首脳会談とも、対立がエスカレートするようなメッセージは出ませんでした。

  ただし、トランプ大統領がこのまま中国・日本への要求を抑えたままでいるとは思えません。日本の参院選挙が終わるころに、また、強硬姿勢が出てくるリスクは残ります。
 米中の懸案で、目先一番重要なのは、中国通信大手ファーウェイへの禁輸解除が実現するか否かです。世界のハイテク景気が盛り返すか否か、米中ハイテク戦争にかかっています。

  日本株の投資判断は、変わりません。日本株は短期的には上値が限られそうですが、長期的には良い買い場を迎えていると判断しています。米国による、ファーウェイ禁輸解除が実現することにベットする(賭ける)ならば、半導体・電子部品などのハイテク株を少し買ってみても良いと考えます。

 

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