4月の新興株<マザーズ、ジャスダック>マーケットまとめ

 新年度4月の東証マザーズ指数の月間騰落率は▲1.2%で、4カ月ぶりに月間でマイナスとなりました。日経ジャスダック平均は、+0.3%とほぼ横ばい。パッとしない1カ月でしたが…“10連休リスク”を控えていた中にあって、想像より底堅い印象の4月相場でした。10連休前のポジション整理(新興株の場合は大半が買いポジションの外し=売り)が集中すると、かなり大きく崩れることになるのでは? と正直思っていました…。

 救いだったのが、この時期の株式市場がリスクオン基調を継続したことでした。米中協議の順調な進展や、中国経済に回復の兆しが出ていること、そして年初から続くFOMC(米連邦公開市場委員会)の政策スタンス変更に伴う株のリターンリバーサル。ボラティリティが低下を続け、ボラティリティ低下に伴い、ボラティリティ・ターゲット戦略の機関投資家が機械的に株のウエイトを高める--2018年2月のVIXショック手前に逆戻りしたわけです。この好地合いを背景に、4月は日経平均株価が+5.0%でした。

 日経平均株価は月間で1,052円も上昇したのですが、これを海外時間と東京時間で分解するとこうなります。海外時間分は「始値-前日終値」で計算できます。いわゆる“窓”の部分ですが、これを合計すると「+826円」。一方で、東京時間の動きは「終値-始値」で計算しますが(ローソク足で言うところの「実体」部分)、この合計が「+226円」。ほとんど寄り付きギャップ(米国株の上昇に連れ高した分)で上げていたわけです。

 東京時間は上値が重かったわけですが、その理由もやはり“10連休リスク”。10連休を前にした国内機関投資家勢の売りヘッジが上値を抑えたものと想定されます。また、東京時間に値動きが狭く、流動性も低下。東証1部銘柄のほうが新興株よりパフォーマンスは良かったものの、東京時間内におけるデイトレードの妙味が大きく薄れたのが4月でした。

 そのため、個人投資家の短期勢は、値動きを求めて新興株に物色をシフト。東証1部の4月の売買代金は前月比5%減だったのに対して、東証マザーズは同5%増でした。ただ、売買は増加しても、やはり“10連休リスク”が意識され、トレードの短期化が進行。買ってもすぐ売るわけで、売買は増えても、価格形成的にはニュートラルです。