トレンドがたどる足取りと局面について

 次に、トレンドがたどる足取りについても整理してみます。トレンドが形成される際の一般的な特徴は、以下の4つになります。

  1. トレンドは上げ下げを繰り返しながら形成され、長期間にわたって株価が上がり(下がり)続けるということはあまりない
  2. トレンドの種類は、「上昇」「下落」「横ばい」の3つがある
  3. 上昇トレンドは上値と下値を切り上げながら形成され、下落トレンドは上値と下値を切り下げながら形成されていく。横ばいトレンドは一定の水準内でのもみ合いが続くことで形成される
  4. トレンドは、「底値圏」「上昇局面」「天井圏」「下落局面」の4つの局面(ステージ)を繰り返しながら、より大きなトレンドを形成していく

図:トレンドの4つの局面

 上の図は、特徴4.におけるトレンドの4つの局面を表したものです。

 上昇トレンドの場合、第2ステージの上昇局面が第4ステージの下落局面よりも大きくなり、反対に、下落トレンドの場合は第4ステージの方が大きくなります。

 また、第1ステージの底値圏や第3ステージの天井圏についても、時間をかけてゆっくり形成されることもあれば、ガラリと状況が一変し、時を待たずして「上昇から下落」「下落から上昇」へと転じることもあります。また、天井圏や底値圏で横ばいが続いたのち、トレンドが再開するといった展開もあります。

 このように、実際のトレンド形成には様々なパターンがあるため、細かい値動きによるノイズを取り除いて、大局的な動きをつかむことが大切になってきます。例えば、トレンドラインをチャート上に描いてみたり、値動きの中心線となる移動平均線を用いてみるといった手法が知られています。

 この他にも、トレンドの方向性や強さ、転換を探ることを主眼にして多くのテクニカル分析指標が生み出されていますが、この連載レポートでよく使っている「平均足の変化とMACDのクロス」なども、トレンドの転換を探ることを目的として紹介しています。