よくある失敗(2)売り時を逃した

 (1)の買い時を逃すケースは、利益を得る機会を逸してしまっただけですので、まだましです。高値掴みさえしなければ大きな痛手にはなりません。
 しかし、保有している株の売り時を逃すことは、それが即大きな失敗につながりますので十分に気を付けなければいけません。

 保有株の売却は、筆者であれば25日移動平均線を明確に下回ったとき、具体的には25日移動平均線から2%程度下まで株価が下がったときを原則としています。

保有株の株価がどのようになっているかを確かめずに放置すれば、「気がついたら株価が25日移動平均線を大きく下回っていた…」ということになりかねません。

 したがって、たとえ仕事で忙しくても、保有株の日々の株価のウォッチを実行し、25日移動平均線を明確に下回ったことが確認できたら速やかに売却する必要があります。

 どうしても株価をなかなか見られない、という方はやはり「逆指値注文」の活用をお勧めします。例えば25日移動平均線から3%程度下のところに逆指値の売り注文を出しておけば、株価が値下がりしたときに自動的に注文が発注され、売却ができます。

 

決算発表で急落しても「ルールは守る」

 もう1つ、決算発表によりそれまで25日移動平均線を超えていた株価が突然急落し、25日移動平均線を大きく下回ってしまうことがあります。

 こうなると、保有株の売却をためらい、「株価が戻るまで保有を続けよう」と考えてしまう方が多いようです。しかしこれはまさに個人投資家が株式投資で失敗してしまう根本原因である塩漬け株に即つながる行為です。

 筆者が25日移動平均線を割り込んだら保有している株を売却するというのは、株式投資で大きな失敗を避けるために用いている「ルール」です。
 ルールというのは目的があって設けているものですから、ルールを作ってもそれを守らなければ全く意味がありません。

 ですから、筆者は決算発表で急落し、25日移動平均線からのマイナスのかい離がどんなに大きくなったとしても保有株は売却します。それが自分に課したルールだからです。

 もし、決算発表の急落を避けたいのであれば、決算発表の前の時点で、保有株が25日移動平均線を超えていたとしても売却すればよいと思います。その代わり、決算発表により逆に株価が急騰しても、その恩恵を受けられなくなります。保有株の急騰の可能性を排除してでも株価急落を避けたいかどうか、よく考えて選択するようにしてください。

 今後、株価が長期的に大きく値下がりする局面もあるでしょう。そんな時に自分の資産を大きく目減りさせず守るために設定するのがルールです。上昇相場では多少ルールを逸脱しても何とかなりますが、下落相場ではそれが命取りになります。

 長期下落相場が訪れる前に、しっかりとルールを作り、それを守る練習をしておくことがとても重要です。