安定成長株として、JR4社に改めて注目

 世界景気の先行きに、やや不透明要因が出ています。日本株は長期的には買い場を迎えていると考えていますが、短期的には下値リスクも考えながら、投資していく必要があります。

 そうした環境下、世界景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄【注】で、安定的に最高益を更新していくと期待されるJR4社に注目したいと考えています。

【注】ディフェンシブ銘柄:鉄道輸送は、景気変動の影響を受けにくい公共サービスの一つです。したがって、世界景気が悪化する局面では、景気敏感株(電機、機械、自動車など)ほどには、鉄道各社の業績は悪化しにくい特徴があります。ただし、景気変動の影響をまったく受けないわけではありません。あくまでも、相対的に受けにくいというだけです。

 まず、4社の業績(連結経常利益)推移を見てください。

JR4社の連結経常利益:前期(実績)・今期(会社予想)・来期(市場予想)

出所:各社決算資料より作成。市場予想は11月14日時点の日経QUICKコンセンサス予想

 前期(2018年3月期)は、4社そろって最高益を更新しました。JR東日本は2期連続、JR東海は6期連続、JR西日本は2期ぶりの最高益でした。JR九州は、上場後、初の最高益でした。

 ところが、今期(2019年3月期)は地震や西日本豪雨の影響で、2社(JR西日本、JR九州)が減益となる見通しです。JR東日本、JR東海も増益率が鈍化します。

 ただし、地震や豪雨の影響は今期の特殊要因です。来期(2020年3月期)は、大規模災害が特別に多い年にならない限り、JR西日本は最高益を更新すると予想されます。JR九州は来期も減益が続く見通しですが、九州新幹線や観光・不動産事業を伸ばしていくことで、いずれ最高益を更新していく力があると判断しています。