※このインタビューは2018/11/07に公開した記事となります。

 人気ブログ『投資家テスタの投資日記─目指せ利益30億円』を運営する、凄腕デイトレーダー、テスタさんインタビューの中編をお届けします。今回は2013年に5億5,000万円を稼いだときのお話をもとに、デイトレードとはどういうものなのか、どうすればプラス収支を目指せるのかなどを聞きました。

 

市場の動きに左右されない投資スタイル

──デイトレードを始めて8年目、2013年に5億5,000万円の利益を達成されています。個人のデイトレーターとしては記録的な数字だと思うのですが。

 どうでしょうか。たしかに5億円以上稼いだという話はあまり聞いたことがないですが、ブログなどで公表されていない方もいますからね。表に出てこないけど、もっとすごい人がいるかもしれません。

──前回、デイトレオンリーで年に10億円稼ぐのは無理とおっしゃいましたが、この頃はデイトレードだけですよね。

 ほとんどはデイトレードの利益です。この年はアベノミクス1年目で、投資環境がとてもよかったんです。まわりの投資家もみんな好成績を上げていました。

──日々株価が上がっていたから、その恩恵を受けたということですか。

デイトレを始めたときはまだ関西在住。その後上京。「面白い人がたくさんいるので刺激を受けられるのがいいですね」

 正確に言えばちょっと違います。そもそもデイトレードというのは、日経平均株価が上がろうが下がろうがあまり関係ないんです。市場全体の動きに左右されないというか。というのも、デイトレードというのは一つの銘柄を1日に何十回、何百回と売り買いすることで利益を目指すものです。これは人にもよるでしょうが、僕は丸1日どころか、1カ月、2カ月、特定の銘柄を追い続けることもあります。だから、極論すれば市場全体の動きはどうでもいいんです。

──では、どうして好成績を残せたんですか。

 僕らにとって肝心なのは、いかに値動きが大きい銘柄を見つけるかです。それに加えて、出来高が多ければもっといい。なぜなら、あまり値動きがなかったら、いくら売り買いを繰り返しても利益は出ませんから。1日の間に大きく上がったり下がったりする、値動きの激しい銘柄のほうが、当然チャンスが多いわけです。同様にたくさんの人が一斉に取引している銘柄、つまり出来高が多い銘柄だと、より大きく稼ぐことができます。

──2013年はそういう株を見つけやすかった?

 そういうことです。やはり景気がよくて株式市場が活性化しているときのほうが見つけやすいんです。普段、僕は朝9時前にパソコンの前に座り、チャートや板を見ながら、その日のターゲットを決めるのですが、2013年はよりどりみどりというか、勝負してみたい銘柄がいくらでもありました。A社もいいし、B社もいいし、C社も捨てがたいという状況でした。だから、ほぼ毎日取引に精を出していました。だから5億円という大台に乗せることができたんです。

 

先行きが不透明な銘柄が狙い目

──ということは、普段は毎日取引しているとは限らない?

 僕の場合はそうですね。よさそうな銘柄が見つからなかったら無理にはやりません。無理に勝負しても結果は出ませんし。実際、今、デイトレードを行うのは月平均15日くらいです。

──丸1日、ことによると1カ月、2カ月、一つの銘柄を追い続けるとのことですが、1日に複数の銘柄の取引を行うことはないのですか。

 ある銘柄の取引を始めたら、思いのほか、値動きが少ないので、ほかに乗り換えるといったことはあります。でも、同時に複数の銘柄を買ったり売ったりすることはまずないですね。なぜかというと、そんな余裕はないんです。とにかく少しでも動きがあったら、買うなり売るなり、何らかの対応をしなければならない。しかも、瞬時に判断して、約定しなければならない。一瞬の躊躇が命取りになりかねないんです。だから、一つの銘柄に全神経を集中します。

──トイレにも行けなさそうですね。

 そういうことも多いですね(笑)。

──先ほど、値動きの激しい銘柄を見つけることが大事だとおっしゃいました。それは何を基準に判断するのですか。

 そんなに難しくないですよ。例えば、ある企業が新商品を発売すると発表したとします。誰もが欲しがるような画期的なもので、大ヒットするのは間違いないと考えられている。そうしたらその会社の株価は当然、上がることが目に見えていますよね。上がったり下がったりを繰り返すことはないから、そういう銘柄はデイトレにふさわしいとは言えません。一方で、その新商品が大ヒットするのか、大コケするのか、全く予測がつかないとしたらどうなります? 人によって予測が異なるわけですから、株価は乱高下する可能性が高いわけです。

──この先どう転ぶかわからない、先行きが不透明な銘柄が狙い目だと?

 そういうことです。それに加えて社会的な注目度が高かったり、話題性に溢れていたら言うことなしです。そういう銘柄には多くの投資家が殺到するので、当然、出来高が高くなるわけです。また、場合によっては長期間、乱高下が続くこともあります。1カ月、2カ月特定の銘柄を追い続けることもあるといいましたが、それはそうしたケースです。

──長期間追える銘柄は「美味しい」といえるんですか。

 もちろんです。一つの銘柄を長く追っていると、こうなったら上がる、こういうときには下がるといったクセや傾向が見えてきます。だから稼ぎやすい。ここ何年かを振り返ってみても、日々異なる銘柄で勝負しているときよりも、特定の銘柄を長く追っているときのほうがはるかに安定した成績を残しています。

 

1週間で1億円失ったことも

──デイトレードがどういうものなのか、少しずつわかってきました。ところで、これまでのお話だとテスタさんは負け知らずという印象ですが、実際はどうなんですか。

 負け知らずなんて人は存在しませんよ(笑)。僕だって何度も痛い目に遭っています。例えば始めて間もない頃、ほんのわずかな間に30万円失ったことがあります。今なら騒ぐほどの金額ではありませんが、当時は数万円単位の投資しかしていなかったので、だいぶショックでした。

──これまでで一番大きな損失は?

 一昨年のことですけど、年明け1週間で1億円の損失を出しました。もちろん、デイトレードだけでなく、中長期トレードも含めてですが。当時、資産は10億円に届いてませんでしたから、全財産の数分の1が、わずか1週間で吹っ飛んだことになります。一瞬、頭の中が真っ白になりましたね。精神的ダメージも大きく、血尿が出たほどです。

デイトレを始めたとき、ご両親からは「就職しないの?」と軽く突っ込まれたのみ。「ダメになったらそのときガッツリ言ってやろう、と思ってたらしいです。結果が出始めたら何も言わなくなりましたが(笑)」

──1週間で1億円ですか。もう足を洗おうなどと思いませんでした?

 正直、引退の2文字が脳裏をかすめました。でも、全財産を失ったわけではないですからね。それに、それまで年間収支がマイナスになったことはなかったんです。多少のマイナスがあっても最後は帳尻を合わせていた。だから、年が明けてまだ1週間じゃないか、これから頑張れば絶対にプラスに持ち込めると心を奮い立たせました。

──結局、その年の収支はどうだったんですか。

 それから半年で収支をチャラに戻し、最終的には2億6,000万円のプラスに転じることができました。

──いやはや、凄まじいですね…。では、次回は今後の展望について、伺っていきます。

 

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