IMMポジション推移(01/02 ~ 01/23)

 

 

円:ネットショート、ふたたび増加へ

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による01月23日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場における投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は12万2,870枚のショートで、円の売り持ちが多い状況が61週続いています。ドル換算では、約141億ドル相当のドルの買い持ち(円の売り持ち)で、円ショート金額は前週比2.9%(約4億ドル相当)増加しました。

 売買別の増減率は、買い建玉(円ロング)が前週比マイナス2.3%、売り建玉(円ショート)は前週比プラス1.7%。円買い建玉が減り、円売り建玉が増えました。

 ムニューシン米財務長官の「ドル安は良い」発言で、ドル円は108円台へ急落しましたが、今回のレポートはその前のものです。来週のポジションがどう変化しているか注目です。

IMM円  2016.01 ~ 2018.01

 

 

ユーロ:ネットロングは、増加へ

  • ユーロのポジションは、買い残高が多い状況が38週続いています。
  • 買い建玉から売り建玉を引いたネット枚数はプラス14万4,717枚で、前週比3.7%増加。
  • ユーロ金額に引き直すと、約180億ユーロ(=約224億米ドル)のユーロ買い持ち。
  • 建玉別の増減率は、買い建玉が前週比プラス3.1%、売り建玉はプラス2.3%。
  • 買い建玉は5週連続の増加です。

IMMユーロ  2016.01 ~ 2018.01

 

 

豪ドル:ネットロング拡大中

  • 豪ドルのポジションは、買い残高が多い状況が3週続いています。
  • 買い建玉から売り建玉を引いたネット枚数はプラス1万6,679枚で、前週比65.6%増加。
  • 豪ドル金額に引き直すと、約16億豪ドル(=約13億米ドル)の豪ドル買い持ち。
  • ネットのロングは、ポジションとしてはまだ少ないものの、急速に勢力を拡大中です。
  • 建玉別の増減率は、買い建玉が前週比プラス26.2%、売り建玉は前週比プラス16.4%。
  • 世界的な景気拡大と商品相場の強気見通しが、豪ドルの買い材料になっています。

IMM豪ドル  2016.01 ~ 2018.01

 

 

ポンド:ネットロング増加中

  • ポンドのネットポジションは、買い残高が多い状況が9週続いています。
  • 買い建玉から売り建玉を引いたネット枚数はプラス3万3,045枚で、前週比26.1%増加。
  • ポンド金額に引き直すと、約20億ポンド(=約29億米ドル)のポンド買い持ち。
  • 建玉別の増減率は、買い建玉が前週比プラス17.4%、売り建玉は前週比プラス13.5%。
  • 売り上がりのポジションも見られますが、全体では新規買いが売りの倍近くありました。
  • メイ首相がソフトブレグジットへ方針転換したこと、またEU(欧州連合)がそれを容認していることが、安心感となって、ポンドは2016年英国民投票以来の高値を更新しています。今後さらに買いポジションが増えることも考えられます。

IMMポンド  2016.01 ~ 2018.01