チポトレ・メキシカン・グリル

 チポトレ・メキシカン・グリル(ティッカーシンボル:CMG)はメキシカン・フードをフレッシュな食材から作る、ヘルシーさを強調したチェーンです。

 同社は近年急成長してきた関係で、現在の店舗数は2,200店舗を超えています。しかし2年前に食中毒の問題を起こしたことに加え、同社の顧客のデータがハッキングされ個人情報が漏えいするなど、トラブルが続いたため、大きく業績が傾きました。いま、ようやくそのどん底から立ち直りかけている状況です。

 同社はまず調理の際の食品安全の確保に奔走しました。そして現在は来店客が満足するサービスへと経営のテコ入れのフォーカスを移しています。

 その関係で取締役を四人入れ替え、新しい戦略担当が出店戦略を見直しています。地域マネージャーが担当する店舗数を減らし、負担を軽減するとともに、個々の店舗にもっと時間を割いて、徹底的に改善する方法を導入しました。

 今後1年間は新規出店を極力抑え、社員再教育に力を入れる考えです。スマホのアプリで注文を受け、その注文を来店客が到着する前に準備することも始めています。

 またケータリング(仕出しサービス)も今後より一層力をいれるため、これまで最低20食だった注文の足切りを10食に引き下げる決断をしました。

 チポトレ・メキシカン・グリルは過去4年間まったく値上げしませんでした。2年前の食中毒事件の混乱が収拾したので、いよいよ11月から値上げを試みます。

 このように同社はあらゆる方法で業績の回復を試みていますが、それが本格的に効果を発揮するのはしばらく先だと思います。