国債買入れの減額でどのくらい長期金利が上昇するのか

 なお、以下では、国債買入れが6月から毎月1,000億円ずつ減額され、買入額が月3兆円になったところで横ばいとするケース(1)、6月から毎月3,000億円ずつ減額され、買入額が月1兆円になったところで横ばいとするケース(2)を設定し(図表5)、長期金利(10年金利)がどう推移するか、再推計しました(図表6)。

図表5 日本の10年金利と政策金利の先行き

(注)図中(1)は日銀の国債買入額を6月から毎月1,000億円ずつ減額し、買入額が月3兆円になったら横ばいにするケース、(2)は6月から3,000億円ずつ減額し、買入額が月1兆円になったら横ばいにするケース。
(出所)日本銀行、楽天証券経済研究所作成

 試算結果は5月1日のレポートで紹介したものと大きくは変わりませんが、改めて政策金利と長期金利(10年金利)の先行きを数値でまとめると、以下のようになります。現在10年金利は0.9%後半まで上振れていますが、年内1.2%程度まで上昇しても不思議ではありません。

政策金利…2024年末0.25%→2025年末0.75%→2026年末1.0%
ケース(1)…2024年末1.1%→2025年末1.6%→2026年末2.0%
ケース(2)…2024年末1.2%→2025年末1.8%→2026年末2.1%

図表6 日本の政策金利と10年金利との先行き

(注)図中(1)は日銀の国債買入額を6月から毎月1,000億円ずつ減額し、買入額が月3兆円になったら横ばいにするケース、(2)は6月から3,000億円ずつ減額し、買入額が月1兆円になったら横ばいにするケース。
(出所)総務省、内閣府、日本銀行、Bloomberg、楽天証券経済研究所作成