物価上振れリスクが意識されている割に、利上げ前倒しの切迫感は伝わって来ず
しかし、その割には「II.金融政策運営に関する意見」の内容から、利上げ前倒しがあるかもしれないといった切迫感は伝わってきません(図表2)。
図表2 4月MPM「主な意見」の金融政策運営に関する意見
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図表2に掲載した利上げに関する6個の意見を見ると、確かに全体としてタカ派色が強まった印象は受けますが、内容自体は今年の後半から2年後に向けてのものばかりで、早急に利上げが行われるというニュアンスの意見はないことが分かります。
これは、結局のところ、円安の物価に与える影響を詳しく分析しても、利上げ前倒しが必要なほどの結論が得られなかったことを示唆しています。だからこそ植田和男総裁も記者会見で、「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと、皆さん判断したということになる」と発言したのだと思われます。