(4)ライフ・プランを事前に考えよ

 仮に、先のサラリーマンが75歳まであと40年間働くとしよう。

 想定寿命が95歳までなら老後期間は20年に短縮される。他の条件を同一として、必要貯蓄率を求めると9.26%となり、毎月の貯蓄額が約2万8,000円、現役時代の支出が27万2,000円、老後の支出が毎月約19万円で辻褄が合う。

 長く働くためには、仕事の能力と同時に自分の仕事を買ってくれる顧客が必要なので、早い段階からの準備が必要だ。

 何よりも健康でなければならないが、「長く働くことの有効性」がご理解いただけよう。

 また、結婚している方の場合、配偶者も働くことによって、生活をより豊かにすることができるし、夫婦合計の年金額も増やすことができる。

 計画的な貯蓄や取り崩し、さらに資産運用も大事だが、人生にあっては、誰がどのように、いつまで働くのかに関する計画が重要だ。

「年金は100年安心」を「老後は年金だけで生活できる」と曲解して、無為に過ごして老後を迎えると、経済的にはかなり不自由になるだろう。