「非西側」が台頭し、出し渋り懸念が浮上
なだたる「BRICs」諸国の自由民主主義指数が急低下したことについて、述べました。ここからは、世界全体に目を向けます。以下は2022年時点の自由民主主義指数の状況です。
図:自由民主主義指数(2022年)
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V-Dem研究所のデータに収録されている170カ国強のデータの中で、民主的な傾向がある(同指数が0.5以上)国の数は63です。一方、非民主的な傾向がある(同指数が0.5未満)の国の数は111です。どちらが多いでしょうか。非民主的な傾向がある国です。
この点は、先述の「G7」の人口の比率の低さと関連します。人口も、国の数も、民主的な傾向がある国は、非民主的な傾向がある国に劣後しています。民主政治の旗印とも言える選挙では「数」を根拠に物事を決定しますが、世界全体でみると明らかに民主的な傾向がある国(≒西側)の数は足りていないのです(G7の声明の実効性に懸念が示される一因が、ここにある)。
以下は、民主的な傾向がある国(≒西側)と非民主的な傾向がある国(≒非西側)の数の推移です。「BRICs」諸国が「向こう側」に行ってしまった2010年代に、西側諸国の増加が止まり、非西側諸国の減少が止まりました。
近年は、「西側減少・非西側増加」の傾向が目立っています。西側と非西側の「分断深化」が進行しているわけです。
図:民主的・非民主的な傾向がある国の数の推移
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