注目株2:中国蒙牛乳業(02319)
中国を代表する乳業メーカーです。創業は1999年で、大手「伊利」の幹部であった牛根生氏が独立し、設立した企業です。
2002年にモルガンスタンレーなど外資から資金調達を行うなど、先進的な経営で事業規模を急拡大させ、同社を業界トップグループ企業に育て上げましたが、2009年に中国最大の食糧油メーカーである中糧集団(中央系国有企業)が資本参加することになり、中糧集団が筆頭株主となった後は一線を退いています。
部門別の売上高(2021年6月中間期)をみると、液体乳製品が86%、アイスクリームが7.0%、粉ミルクが6.0%、その他が1.0%です。
2021年6月中間期業績は22%増収、143%増益でした。新型コロナ禍が収束したことや、消費の高度化が進む中で積極的に高付加価値商品を投入、オンライン、オフラインを同時に攻める戦略がうまくいき、業績は大きく伸びています。
2021年12月期の市場コンセンサスは16%増収、48%増益、2022年12月期は13%増収、21%増益です。
中国蒙牛乳業の月足
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出所:楽天証券ウェブサイト
牛の餌となるトウモロコシや大豆かすの価格が上昇しており、それが原材料コストの上昇を引き起こしています。しかし、同社は競合他社と比べブランド作りがうまく、新商品投入による実質的な価格引き上げにより、粗利益率の低下を最小限に抑えています。
健康志向の高まりによって、牛乳、ヨーグルトなどの消費量は今後も増えるとみられ、そうした時代の流れにうまく乗ることで同社は今後も高成長できると予想します。
注目株3:華潤ビール(00291)
国務院直属の投資会社である華潤集団傘下の大手ビール会社です。ライバル企業である青島ビールは1903年創業でドイツ人、イギリス人が創業した企業が前身ですが、同社は1994年に瀋陽ビールとの合弁で始めた雪花ビールが中核となる比較的歴史の浅い企業です。
華潤集団の資金力、情報力を背景にM&Aを繰り返して大きくなった企業で、2019年にはハイネケンの中国ビール事業を買収、戦略提携を結んでいます。主力ブランド「雪花Snow」は生産量で中国最大規模です。
2021年6月中間期業績は13%増収、106%増益でした。新型コロナ禍による反動で販売量が5.0%増加、付加価値の高い製品へのシフトを進めたことで平均価格が上昇、二桁増収を達成しました。土地売却益など、その他収入が急増したことで利益は倍増となりました。
2021年12月期の市場コンセンサスは9.0%増収、105%増益、2022年12月期は9.0%増収、3.0%増益です。
華潤ビールの月足
![](/mwimgs/c/2/-/img_c297608c45d9302b639241a71f032aab34022.png)
出所:楽天証券ウェブサイト
ハイネケンの中国事業を買収したり、若者向け商品、高付加価値商品を開発したり、積極的な経営を続けています。アルコール飲料では白酒業界がブランド化に成功し、高い利益率を上げています。消費の高度化といった追い風もあり、ビール業界でも利益率の向上による高成長は可能だとみています。