消費セクターに注目。長期投資としても魅力的
今月は消費関連銘柄に注目しました。
国家発展改革委員会は1月16日、「足元の消費促進業務をうまく実施することに関する通知」を発表しました。「万全のゼロコロナ対策を実施するといった前提の下で、旧正月といった伝統的に消費が活発となる時期がやって来るといった好機をしっかりと捉え、消費を促進させる」と強調しています。
具体的には、地方政府が春節消費需要を高めるための活性化策を打ち出すことや、オンライン消費のレベルアップ、農村消費活性化のための優遇政策の発動、北京冬季オリンピック開催を利用した需要拡大、賃貸住宅市場の発展促進、中小零細企業への支援などが盛り込まれています。
今年の経済運営は“安定”がキーワードです。投資に比べると、消費の引き上げはより難易度が高いのですが、それだけに当局は強い関心を持って消費の動向に注目すると思います。共産党の大政策である共同富裕の促進や、所得向上による中産階級の増加は、消費の拡大、高度化につながります。消費セクターは長期投資としても魅力的です。
注目株1:申洲国際集団(02313)
国内外のメーカーに対してニット衣料をOEM供給する民営のアパレルメーカーです。寧波市に主な製造拠点がありますが、ベトナム、カンボジアにも工場を持ち、上海、香港、大阪に営業拠点を置くなど、グローバルなビジネスを展開しています。
地域別の売上高(2021年6月中間期)では、中国が29%、EUが19%、日本が18%、アメリカが15%、その他が19%です。
2021年6月中間期は11%増収、11%減益でした。売上面では過去最高を記録するなど事業規模は拡大を続けていますが、政府補助金の減少や、人民元高による為替差損の影響で減益となりました。2021年12月期の市場コンセンサスは10%増収、1.0%減益、新型コロナ禍の影響が小さくなるとみられる2022年12月期は20%増収、31%増益です。
申洲国際集団の月足
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出所:楽天証券ウェブサイト
同社の強みは中国の産業構造の変化に柔軟に対応、積極的に海外戦略を進めている点です。足元では新型コロナの影響で、寧波工場やカンボジア工場の生産に支障をきたしています。
減益が嫌気され、株価は昨年5月以降、調整局面となっていますが、新型コロナによる影響は一過性であり、人民元高については、米中の金融政策の違いから今年はいったん落ち着くと予想しています。悪材料はほぼ織り込んだとみています。