誰が売り、誰が買っているか?

 日本株は、配当利回りや買収価値から見て、割安と判断しています。ところが、今のようなパニック相場では、割安であることは無視されます。パニックが収まるまで、売りが強く、どこまでも下げるということもあり得ます。

 こういう相場で重要なのは、需給を読むことです。ここまで下がってなお、下値を叩いて売ってくるのは、外国人投資家です。国内投資家は大部分が、様子見か、押し目買いのタイミングをはかっていると考えられます。

 外国人投資家は、昨年来、日本株をかなり売り越しています。日経平均先物の売り建ても積み上げてきていました。つまり、日本株に弱気で、既に日本株のポジションをかなり低くしていると考えられます。したがって、ここからさらに、どんどん売りを増やしていくとは考えにくいところです。

 ただ、1つだけ気になる外国人投資家がいます。中東などのオイルマネーです。原油急落で、国家収入が減っているので、収入を補完するために、保有する日本株などの資産を売却する可能性がないとは言えません。今と同じように、原油が急落した2006年には、実際中東のオイルマネーが、日本株を売ってきました。

 今回、オイルマネーの日本株売りが出るか出ないか、私には予想することはできません。もし出れば、日経平均の下値はさらに低くなりますが、それだけ、割安なところで日本株を買う機会が生じるとも言えます。

 ここからは、少しずつ時間分散しながら、日本株を買っていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。大型の高配当株から買っていくべきと考えています。

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