FOMCメンバーによるFF金利予測(中央値)は利下げ停止示唆

 0.25%の利下げ実施を、市場は確実視していました。トランプ米大統領が0.5%以上の利下げを事実上要求していましたが、パウエルFRB議長は米景気が悪くなる前の「予防的利下げ」のスタンスを崩していなかったので、政治的圧力に屈したと見られるような大幅利下げはないと思われていました。つまり、0.25%の利下げは、市場にとって、サプライズ(驚き)がまったくありませんでした。

 市場の注目は、年内追加利下げへの示唆が有るか無いかでした。FOMCメンバーによる予測(中央値)では、「2019~20年は利下げなし」が示唆されました。「2021~22年には利上げ」が予測されています。

FOMCメンバーによるFF金利予測(中央値)

出所:FRB「ドットチャート」より作成 注:利下げ後のFF金利誘導水準は1.75-2.00%(レンジの中央は1.875%)。FOMCメンバー予測は、誘導水準の中央の値で示されている

 事実上の「利下げ停止示唆」を嫌気して、18日のNYダウは一時、前日比211ドル安まで売られました。ところが、その後行われたパウエルFRB議長の会見を受けて持ち直し、18日のNYダウは前日比36ドル高の2万7,147ドルで引けました。