対策を行う前に「家族会議」をしておこう

 筆者の感覚では、相続対策をする前に、親子でしっかりと会話をしているケースは少ないと感じます。

 しかし親と子との間で認識違いがあると、結果として相続により残された側の人間が不幸になってしまいかねません。

 ですから、認識違いを避けるために、あらかじめ「家族会議」をしておくことをお勧めします。

 親として、どのように財産を子の世代に残していきたいのか。そして相続税が現状だとどのくらいかかり、対策をすることでどの程度減らせるのか…。親としての考えを子に伝えてください。

 子どもの方も、しっかりと現状を把握し、相続税対策により現金が「借り入れ+不動産購入」に置き換わることに同意するのか、それとも相続税対策をせず多少の税金を払う方がよい、と思っているのかを親に伝える必要があります。

 こうすれば、渡す側、もらう側の双方が納得する対策をすることができ、後々トラブルを防ぐことができるのです。

 相続税対策を安易に考えると、残された子にとっては悲劇を招く結果にもなりかねません。親子で話し合って、お互いが納得のいく形で対策を考えていってください。個人的には、子の側が「多少の税金は払うから特に対策はしないでほしい」と主張したら、親の側はそれを尊重してあげてほしいと思います。