「もらう側」の立場であれば親にしっかり現状を聞いておこう

 読者の方の中には、「あげる側」ではなく「もらう側」である方も少なくないと思います。もらう側の立場でまず押さえておきたいのが、「親の財産の現状はどうなっているか?」です。

 財産を相続するのは自分、そして相続税を納めるのも自分です。さらには、借金を相続した場合、それを返済するのも自分になります。

 以前、私のクライアントで絶対に相続税を払いたくない方がいらっしゃいました。その方は、相続税対策として、多額の借り入れをして不動産を購入していました。借り入れの額はみるみる膨らみ、なんと30億円になっていました。

 そしてその方に事情を聞くと、相続人となる息子さんには、この事実を一切話しておらず、おそらく知らないはずだ、というのです。

 もし息子さんがこの事実を知ったら、どう思うでしょうか。筆者がこの立場だとしたら、30億円もの借入金を背負うというプレッシャーに、心が押しつぶされてしまいます。