売るべきと考える銘柄:TATERU

 → 11月29日以降、株価はさらに15%下がったが、売り判断変わらず

 アパート施工・管理を手がけるTATERUは、今年8月31日に建設資金借り入れ希望者の預金残高を改ざん(水増し)して、融資を受けやすくしていた問題が発覚し、株価が急落しました。この問題を受けて、同社のブランド価値は毀損し、アパートプラットフォーム事業の成約数は4-6月の255件から、7-9月は45件に急減しています。この不祥事の顛末がわからない状況で、投資すべきでないと考えています。保有していれば、売却した方が良いと考えます。

 

投資は避けた方が良いと考える銘柄:クックパッド・アンジェス

 → 11月29日以降、クックパッドは19%、アンジェスは13%株価が下がったが、投資を避けた方が良いとの判断は変わらず

 料理レシピサイト運営会社クックパッドは、2015年12月期まで、成長企業として投資家の人気が高かった銘柄です。ところが、成長を牽引してきた穐田氏(前社長)が、創業家出身の佐野取締役(現社長)と対立する「お家騒動」が起こって社長を退任してから、業績は低迷しています。2018年1-9月の連結営業利益は前年同期比50%減の20億円でした。業績回復の道筋が見えない中では、投資を避けた方が良いと思います。

 アンジェスは、東証マザーズ上場のバイオ・ベンチャー企業です。遺伝子治療薬の開発を進めています。夢はあるものの、成功するかどうか現時点でわかりません。過去10年以上、赤字が続いており、投資リスクはきわめて高いと考えられます。優待銘柄として長期投資するならば、赤字銘柄は避けるべきと思います。

 

優待銘柄として長期保有して良いと考える銘柄:日本たばこ産業・日本マクドナルドHD・キリンHD

 → 11月29日から日本たばこ産業は0.2%、日マクドナルドは3.2%株価が下がったが投資判断は変わらず。キリンHDは株価が14%下がり、投資魅力がさらに高まったと判断。

 日本たばこ産業は、予想配当利回り(2018年12月期・会社予想ベース)が、12月18日時点で5.3%と高いことも魅力です。優待が魅力な好配当利回り株として、注目しています。

 

リスクを理解した上で投資すべき銘柄:すかいらーくHD・本田技研工業

→ 11月29日からすかいらーくHDは株価が3%上昇、優待取りで株価が高止まりしている可能性あり。現時点では投資を控えたほうが良いと判断。本田は、株価が4%下落。投資判断変わらず

 本田は、長期投資で保有していい銘柄だと思いますが、世界景気や為替変動の影響を受けやすく、世界景気の変動にともなって株価が乱高下するリスクに注意が必要です。

 

私がファンドマネージャーなら積極的に買いたいが、リスクは高い銘柄:東海カーボン

→ 11月29日から株価は11%下落。リスクは高いが、積極的に投資してみたい銘柄との見方は変わらず。

 東海カーボンは、先に掲載した通り、足元の業績は急拡大しています。業績拡大に株価上昇が追いついていないため、予想PERは12月18日時点で、4.0倍まで低下しています。今後、業績が急激に悪化しない限り、割安株として見直されて株価が上昇する余地が大きいと判断しています。

 業績拡大を牽引しているのは、黒鉛電極です。鉄スクラップを溶かして鉄鋼製品を生産する電炉【注】に必須の中心的素材です。

【注】電炉と高炉
鉄鋼を生産する方式に、電炉法と高炉法がある。電炉では、電気で鉄スクラップを溶融して鉄鋼を生産する。高炉では、鉄鉱石と石炭から、鉄鋼を生産する。

 中国が、国策として、高炉にかたよった製鉄方式を見直して電炉拡大を打ち出したため、黒鉛電極に大量の注文が集中し、2017年後半から需給逼迫が続いています。深刻な品不足が続く中、価格上昇と数量増の両面から、東海カーボンの業績拡大につながっています。同社社長は、中国が急に国策を変更しない限り、ブームは長期化するとコメントしています。
中国は環境規制を強化し、大気汚染の原因となっている高炉から電炉への切り替えを急いでいます。国策が急に変更されるリスクはありますが、そうならない限り、来期(2019年12月期)以降も営業利益の拡大が続くと考えられます。来期も増益が続くと見通せるようになれば、PERで割安な同社株が見直されて上昇すると予想しています。

 

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