それでは、減配リスクの低い銘柄を選ぶための4条件を具体的に見てみましょう。
減配になりにくい好配当利回り株を選ぶための4条件
(1)業種:不況に強い業種に属する
(2)規模:売上高や時価総額が大きい
(3)財務:借金が少ない
(4)収益力:経常利益率が高い
この4条件全てを満たす必要はありません。この4条件は、重要度の高い順に並んでいるので、一番重要な(1)、(2)だけ満たせば十分と言えます。
不況の影響を受けにくい代表業種は、情報通信、電鉄、医薬品、食品、サービス、日用品小売業などです。ここから、配当利回りの高い大型株を探してみてください。
以下に大型の好配当利回りの参考銘柄を挙げます。
東証1部上場大型株(TOPIX100:証券業は除く)予想配当利回り3.4%以上の20銘柄(2018年5月23日時点)
No | コード | 銘柄名 | 配当 利回り (%) |
景気感応度 | 1株当たり 予想 配当金 (円) |
5月23日 株価 (円) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2914 | 日本たばこ産業 | 5.1 | ディフェンシブ | 150 | 2,949.5 |
2 | 7201 | 日産自動車 | 5.0 | 景気敏感株 | 57 | 1,138.5 |
3 | 7751 | キヤノン | 4.2 | 景気敏感株 | 160 | 3,784.0 |
4 | 7270 | SUBARU | 4.0 | 景気敏感株 | 144 | 3,583.0 |
5 | 1928 | 積水ハウス | 4.0 | 景気敏感株 | 79 | 1,990.5 |
6 | 8035 | 東京エレクトロン | 3.9 | 景気敏感株 | 823 | 20,970.0 |
7 | 4502 | 武田薬品工業 | 3.9 | ディフェンシブ | 180 | 4,600.0 |
8 | 8053 | 住友商事 | 3.9 | 景気敏感株 | 75 | 1,924.5 |
9 | 8002 | 丸紅 | 3.9 | 景気敏感株 | 34 | 872.7 |
10 | 9437 | NTTドコモ | 3.9 | ディフェンシブ | 110 | 2,839.5 |
11 | 8411 | みずほFG | 3.8 | ディフェンシブ | 8 | 199.6 |
12 | 8058 | 三菱商事 | 3.7 | 景気敏感株 | 115 | 3,147.0 |
13 | 8316 | 三井住友FG | 3.6 | ディフェンシブ | 170 | 4,671.0 |
14 | 8725 | MS&AD インシュアランス | 3.6 | 景気敏感株 | 130 | 3,587.0 |
15 | 8591 | オリックス | 3.6 | 景気敏感株 | 70 | 1,936.0 |
16 | 8031 | 三井物産 | 3.6 | 景気敏感株 | 70 | 1,952.5 |
17 | 5108 | ブリヂストン | 3.5 | 景気敏感株 | 160 | 4,546.0 |
18 | 8001 | 伊藤忠商事 | 3.5 | 景気敏感株 | 74 | 2,119.0 |
19 | 9433 | KDDI | 3.4 | ディフェンシブ | 100 | 2,961.0 |
20 | 8766 | 東京海上HD | 3.4 | 景気敏感株 | 180 | 5,360.0 |
注1:1株当たり年間配当金は会社予想ベース。年間配当の予想額を公表していないキヤノンとオリックスは、楽天証券予想
注2:配当利回りは、1株当たり年間配当金を5月23日の株価で割って算出。景気敏感株/ディフェンシブの分類は筆者の判断、大手銀行株はかつて景気敏感株と見られていたが、現在、財務内容が良好で安定的に数千億円の純利益を獲得できる体質になっていることからディフェンシブ株に分類
なるべく多数の銘柄に分散投資する
たとえ4条件を全て満たしている銘柄があっても、1銘柄に集中投資するのは避けた方がいいです。個別銘柄リスクがあるからです。どんな銘柄も、将来絶対に減配がないとは言い切れません。
高利回りもの投資では、特定の銘柄に集中投資すべきではありません。減配になりにくい性質を持った銘柄の中で、なるべくたくさんに分散投資すべきです。
景気変動の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)が優先されますが、景気敏感株にもある程度、分散投資すべきと思います。ただし、景気敏感株ばかりをたくさん買わないようにした方がいいと思います。
予想配当利回り3~4%の大型株に分散投資し、5年、10年と保有し続けることが、派手さはなくとも、着実に資産を増やしていく近道と思います。
好配当利回り株の買い方ですが、一気に大量に買うのではなく、時間をかけて分散投資することがオススメです。1株当たり配当金が変わらなければ、株価が下がった局面で買うと、配当利回りが高くなります。
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