12月株主優待 人気ランキング
順位 | コード | 銘柄名 | 優待品例 | 優待発生金額※1 |
---|---|---|---|---|
1 | 3197 | すかいらーくHD | 飲食券 | 237,000 |
2 | 2503 | キリンHD | 自社グループ商品など | 223,900 |
3 | 4912 | ライオン | 自社製品 | 164,500 |
4 | 7272 | ヤマハ発動機 | 自社ポイントなど | 140,700 |
5 | 3003 | ヒューリック | 商品 | 445,200 |
6 | 2702 | 日本マクドナルドHD | 飲食券 | 641,000 |
7 | 4927 | ポーラ・オルビスHD | 自社ポイント | 146,800 |
8 | 5301 | 東海カーボン | カタログギフト | 965,000 |
9 | 4911 | 資生堂 | ポイント付与 | 318,200 |
10 | 3097 | 物語コーポレーション | 飲食券 | 349,000 |
※1 優待発生金額 =11月7日終値の株価 × 優待発生最低株数で計算した金額です。 |
最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>>
このランキングは楽天証券で優待を保有されているお客さまの人数が2024年8月29日時点で多い順番です。 この記事は銘柄を推奨するものではありません。 売建可能数量や日歩は、楽天証券にログインいただくとご覧いただけます。 2024年11月7日時点の終値や数値を、楽天証券Webサイトから採取して記載しています。 配当利回りは、楽天証券HPの会員ログイン後の銘柄ページより採用しておりますが、市況により変動するため、必ずご自身でご確認くださいませ。 |
12月の株主優待銘柄は180銘柄!
2024年最後となる12月優待は、権利付き最終日が12月26日(木)、権利落ち日が12月27日(金)、権利確定日が大納会の12月30日(月)という土日をはさんだスケジュールになります。
12月26日(木)までに優待株を買い、翌27日(金)まで持ち越すと優待の権利を獲得できます。
翌2025年の取引開始は1月4日が土曜日のため、1月6日(月)になります。現物買いと信用売りを行うクロス取引(つなぎ売り)で優待権利を取得すると貸株料が8日分、逆日歩が7日分かかり、コストが通常より高くなるため注意が必要です。
※つなぎ売りの注意点について詳しくは、楽天証券ウェブサイト『リスクを抑えて株主優待を獲得する「つなぎ売り」について』をご覧ください。
12月優待株は180銘柄。3月、9月に次いで年間で3番目に優待株が多い月になります※。
※楽天証券 株主優待検索より
すかいらーくホールディングス(3197)や日本マクドナルドホールディングス(2702)など人気が高い外食系優待も多い月で、ビール会社や化粧品会社の自社商品優待もあります。
また今回は多くの人気上位企業で1年以上の継続保有が優待取得の条件になるなど短期保有は優待なし、中長期保有すれば優待内容厚遇という変更が目立ちました。非外食・小売企業に関しては、1年以上の継続保有が優待取得の条件になるのが株主優待制度のトレンドになりつつあります。
人気ランキング10位以下で魅力的な外食系や自社飲料優待には、
- 「まいどおおきに食堂」などを運営するフジオフードグループ本社(12月・6月末に100株で3,000円分の食事券や自社PB商品などから1セット選択)
- 「築地銀だこ」などを展開するホットランド(12月・6月末に100株で1,500円分の食事券)
- 消費者向け飲料・食品も手掛ける製薬会社の大塚ホールディングス(12月末に100株以上で一律、3,000円相当の「カロリーメイト」や「オロナミンCドリンク」など自社グループ製品)
- ビールメーカーのサッポロホールディングス(12月末に100株でビール[350ml缶×4本]、食品・飲料品1,000円相当などから1点選択。3年以上長期保有で優待内容グレードアップ)
- 「ステーキハウス ブロンコビリー」運営のブロンコビリー(12月・6月末に100株で2,000円分の食事券)
などがあります。
高配当が第一目的、優待はおまけという発想
12月優待株の中には、個人投資家=一般消費者がメインの顧客ではないヒューリック(3003)など不動産会社や、ヤマハ発動機(7272)、東海カーボン(5301)、クラレ(3405)、日清紡ホールディングス(3105)など製造業のカタログギフト優待や自社グループ商品優待にも魅力的なものがあります。
こうした優待株には業績好調な優良企業も多く、高配当や株価の値上がり益を第一目的にして、株主優待はあくまで「おまけ」感覚でもらう発想で投資するのも一つの考え方です。
楽天証券の「株主優待検索」で優待株を「人気順」に並べると、楽天証券の口座で保有されているお客さまの人数が多い銘柄順に表示されます。
そのため、実際の人気順位1位は楽天証券の属する楽天グループ(4755)、2位は資源会社のINPEX(1605)でした。
INPEXの優待は12月末に400株(投資金額約81万8,800円)を1年以上2年未満保有すると、QUOカード1,000円分が贈呈されるというもの。
ただし、INPEXは今期2024年12月期の予想配当利回りが4.28%に達する高配当株で資源高の恩恵を受けて株価もここ数年右肩上がりが続いています。
優待人気というより、株価が好調な高配当株としての人気が高い銘柄のため、今回の優待ランキングからは除外しました。
ただ、優待株としてそれほど魅力が高いわけでなくても、高配当株としては非常に有望な投資対象であるのは事実です。
優待内容にこだわるのではなく、高配当や株価の値上がり益重視でまずは銘柄を選び、その中から株主優待制度も実施している株を選ぶという発想もあり!といえるでしょう。
本連載ではあくまで優待内容が人気の理由と思われる銘柄かどうかを独自に判断して、ランキング上位銘柄を紹介しています。
1位:すかいらーくHD(3197)
権利付き最終月:12月、6月[貸借銘柄] 株価:2,370円(2024年11月7日終値) 配当利回り:0.30% 優待発生株数:100株以上 優待内容:100株以上で2,000円分、300株以上で5,000円分、500株以上で8,000円分、1,000株以上で1万7,000円分の飲食代割引カード その他条件:― 最新情報は企業HPからご確認ください |
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12月優待株の人気第1位はファミレス国内最大手のすかいらーくHD。
12月・6月末に100株以上保有で同社が運営するファミレスでの食事に使える株主優待カード2,000円分が贈呈されます。
利用可能なのは「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」「ジョナサン」「夢庵」など和、洋、中全てを網羅した多数のチェーン店舗。使い道に困らないことが人気の高さにつながっています。
同社はコロナ禍で客数が激減して巨額赤字が続きましたが、コロナ禍明けの旺盛な外食需要の復活で今期2024年12月期は業績が劇的にV字回復。店舗数も純減から純増約30店舗に転じています。
株主配当も前期比10.5円の大幅増配となる1株当たり17.5円予想。来期2025年12月期もテーブル決済導入など人件費の抑制や回転率の向上で増収増益が見込まれています。
株価も2024年1月には上場来高値2,541.5円をつけ、2024年11月1日現在(以下同)も2,359.5円で高止まりしています。
株価は来期の業績躍進に対する期待感が高く、買われ過ぎの面もあります。新たに購入する際は2,000~2,200円台までいったん調整したあとの押し目買いが有望かもしれません。
2位:キリンHD(2503)
権利付き最終月:12月[貸借銘柄] 株価:2,239円(2024年11月7日終値) 配当利回り:3.17% 優待発生株数:100株以上 優待内容:100株以上で500円相当、1,000株以上で1,000円相当の自社グループ会社商品など その他条件:1年以上継続保有の株主のみに贈呈。3年以上継続保有の場合、100株以上1,000株未満の株主には2,000円相当、1,000株以上3,000株未満は4,000円相当、3,000株以上は6,000円相当、およびそれぞれ抽選で自社グループ特別商品・割引サービスを贈呈。ただし、2024年12月末時点で100株以上保有の株主で、継続保有が1年以上3年未満の株主については、移行措置として継続保有期間が3年以上になるまでは、100株以上1,000株未満は1,000円相当、1,000株以上は3,000円相当を贈呈。2024年のみ2024年1〜9月末までに100株以上保有の新規株主も対象。優待品に代えて寄付選択可 最新情報は企業HPからご確認ください |
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第2位はビールなど酒類・清涼飲料水メーカーのキリンHD。
同社の優待制度は今回の2024年12月末から変更になります。
従来の優待内容は12月末に100株保有で1,000円相当の自社グループ商品などから1点選択でした。
今回の2024年12月末優待からは100株を1年以上継続保有で500円相当と、継続保有条件が付いた上に優待内容が半減してしまいます。
その一方、3年以上継続保有すると優待品が2,000円相当に増額され、プレミアム優待として特別な商品や割引サービスが抽選で提供される予定です。
今回2024年12月末の優待に関しては経過措置として、2024年1~9月末に100株以上を購入した株主に限り1年以上継続保有と見なして新制度の優待品が贈呈されます。
同社はビールの値上げや一時不振だった豪州事業の回復もあり今期2024年12月期は大幅増益予想。株主配当は前期から据え置き予定ですが、今後は増額修正に期待が持てるかもしれません。
株価はここ3年ほど1,700~2,300円台で横ばい推移していましたが、10月28日に2,310円の年初来高値を更新したばかり。
豪州のビールや北米の飲料など海外事業が成長源となっているため、今後、株価の本格的な上昇トレンド入りに期待できるかもしれません。
3位:ライオン(4912)
権利付き最終月:12月[貸借銘柄] 株価:1,645円(2024年11月7日終値) 配当利回り:1.58% 優待発生株数:100株以上 優待内容:100株以上で自社製品(日用品) その他条件:2025年以降は100株以上を1年以上継続保有(12月・6月の株主名簿に同一株主番号で連続3回以上記載)した株主のみに贈呈に変更 最新情報は企業HPからご確認ください |
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第3位は洗剤やハミガキなど日用品メーカー大手のライオン。
12月末に100株以上保有で一律にハミガキ、ウエットシート、衣料用洗剤など自社商品6点セットが贈呈されます。
これまでは継続保有条件がなかった同社も来年2025年12月末優待からは1年以上の継続保有が優待取得の条件になります。今年12月末までに同社の株を100株購入して、今回だけでなく来年以降の優待取得を目指すのもいいでしょう。
同社は原材料高のため利益率の低下が続いてきましたが、今期2024年12月期は値上げ効果や口腔(こうくう)ケア商品の売上増で増収増益予想。
業績回復を好感して、株価も底値圏のもみ合いから脱出。2024年10月16日には1,729.5円の年初高値をつけるなど反転上昇中です。
4位:ヤマハ発動機(7272)
権利付き最終月:12月、6月[貸借銘柄] 株価:1,407円(2024年11月7日終値) 配当利回り:3.43% 優待発生株数:100株以上 優待内容:100株以上で1,000ポイント、300株以上で2,000ポイント、1,000株以上で3,000ポイント、3,000株以上で4,000ポイントのポイント付与。また3,000株以上で自社カレンダー その他条件:ポイントに応じて地元名産品、Jリーグ観戦ペアチケット、自社関連施設利用割引券、寄付などと交換可。3年以上継続保有の場合1,000ポイント追加(12月のみ)。自社カレンダーは希望者に限る(6月のみ) 最新情報は企業HPからご確認ください |
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第4位は二輪車メーカーでクルーザーなどマリン製品でも世界屈指のヤマハ発動機。
12月末に100株保有で1,000ポイントが贈られ、ポイント数に応じて当社やグループ会社がある地方の名産品や二輪車・マリンレジャー関連の優待商品を選ぶことができます。3年以上継続保有すると2,000ポイントに増額されます。
2023年12月期の優待実績では1,000ポイントで、ジュビロ磐田Jリーグ観戦ペアチケット(500組限定)、「牧之原深蒸し茶」100gなどの地方名産品、静岡県内でチェーン展開する「炭焼きレストランさわやか」で使えるプリペイドカード1,000円分などから選ぶことができました。
同社は主力の二輪車の販売がインドやブラジルなど新興国で絶好調。今期2024年12月期も大幅増収増益に加えて増配予想で、予想配当利回りが3.78%に達する高配当株です。
株価も2024年7月に上場来高値1,617.5円をつけるなど、長期的な上昇トレンドが継続中。
2024年8月5日の全体相場の大暴落で一時1,063円まで急落しましたが、現在は1,320円台で推移。
同社もINPEX同様、業績・株価が絶好調な高配当株として購入し、おまけ感覚で株主優待も楽しむ投資対象として最適な優良企業といえるでしょう。
5位:ヒューリック(3003)
権利付き最終月:12月[貸借銘柄] 株価:1,484円(2024年11月7日終値) 配当利回り:3.37 % 優待発生株数:300株以上 優待内容:300株以上で3,000円相当の商品 その他条件:株主優待カタログより1点選択。同一株主番号で3年以上継続保有の場合2点選択。2025年以降は300株以上を2年以上継続保有した株主のみに6,000円相当の商品を贈呈に変更 最新情報は企業HPからご確認ください |
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第5位は首都圏中心に不動産事業を手掛けるヒューリック。
12月末に300株(投資金額44万5,200円)保有で3,000円相当のグルメカタログギフト1点が贈呈されます。3年以上継続保有でギフト2点(6,000円相当)に増額されます。
ヒューリックも来年2025年12月末からは2年以上の継続保有が優待取得の条件になります。300株を2年以上継続保有で6,000円相当のカタログギフト贈呈という、短期保有の優待廃止、中長期保有に対する優待優遇に変更されます。
そのため、今回2024年12月末までに新たに300株を購入した場合、3,000円相当のギフトが贈呈されますが、来年2025年12月末は優待がもらえず、2026年12月末から6,000円相当のギフトが贈られることになります。
東京都心の一等地に多数の商業ビルを保有する同社は地価高騰もあって業績は絶好調です。
2024年10月28日には今期2024年12月期の業績を上方修正。前期に続く過去最高益更新と4円増配の1株当たり54円配当に株主配当が引き上げられ、予想配当利回りは3.77%に達しています。
ただし、株価は1月に上場来高値1,648円をつけて以降、下落基調。不動産企業は借入金が多いため、日本銀行の利上げによる国内金利の上昇が不安要因の一つになっているようです。
ただ業績自体は絶好調なので、株価下落を単なる調整と捉えて、今すぐ買って今後2年以上継続保有が必要な優待獲得を目指して長期保有するのも一つの考え方でしょう。
少しでも安く買いたいなら1,200~1,300円台まで下落したあと、反転上昇するタイミングを待ちましょう。