今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは153.60

下値メドは152.90 

米債券:投資家はリスクの高いジャンクボンドを敬遠し、格付け高い債券にシフト
金価格史上最高値:インドが金の輸入税を15%から6%に削減したことも要因 
中立金利:パウエルFRB議長「中立金利は上昇した可能性。金利は引き締め過ぎではない」
パウエルFRB議長:「労働市場はバランスを取り戻しつつある」
ECB追加利下げ慎重:ラガルド総裁「賃金と物価のスパイラルが止まらないことを懸念」  

前日の市況

 10月30日(水曜)のドル/円相場の終値は153.40円。前日終値比0.03円の「円安」だった。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年218営業日目は153.32円からスタートした後、東京時間夜の初め頃に152.78円まで下落した。しかしこの水準の買いは強く、前日の安値(152.40円)には届かないまま反転した。

 金曜日に雇用統計発表を控え、この日NY市場で発表された民間企業の雇用状況を示すADP雇用データは23.3万人増と2023年7月以来の大幅増加となった。最近のADPのデータはBLS(米労働省労働統計局)が発表する雇用統計との違いが大きく、非農業部門雇用者数の予測資料としてはあまり役に立たないのだが、米長期金利は反応を見せて上昇した。それに伴いドル/円も夜遅くに153.49円まで上昇してこの日の高値をつけた。24時間のレンジ幅は0.71円。

日銀会合と日銀展望レポート、植田総裁記者会見

 日銀は本日31日まで開催した金融政策決定会合において、前回9月の会合に引き続き、政策金利を現行の0.25%程度に据え置く予定だ。

 もっとも今回の据え置きは織り込み済。マーケットの関心は、日銀の「次の利上げはいつか」ということだ。日本の経済指標は概ね日銀の予測通りに推移しているが、米国のソフトランディングや市場のボラティリティを条件としているため、利上げのハードルはやや高くなっている。植田日銀総裁は利上げのタイミングを確約することはないだろうし、米国の次期選挙や日本の最近の政治情勢を考慮すれば、利上げの詳細な条件を提示することもないだろう。

 市場の利上げ予想は、12月と1月で分かれている。どちらになるかは(あるいは来年以降になるかは)米大統領選後のドル/円がどこに落ち着くかにかかっている。トランプ氏が大統領になった場合、1ドル=160円を超える。円安が進むというマーケットの予想も出ている。

 今回は3カ月に1度の展望レポートが公表される。日銀の経済見通しが大幅に下方修正された場合、円安がさらに進行して日銀に対する利上げ圧力が強まるという意図しない結果を招くおそれもある。為替介入は、今年の実績をみる限り、効果はすぐに薄れるうえ費用対効果は悪い。政府日銀が円安を本気で止めようとするなら、日銀が利上げするしかないだろう。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成