2024年に警戒が必要な3つのリスク

 米景気減速で米金利が低下、株式市場に追い風となっています。ただ、米景気ソフトランディングで決まり、とはまだ言えません。2024年に注意したい重大リスクとして、以下3つがあります。

【1】米景気が想定以上に冷え込むリスク

 これまで、米金利をどんどん上げてきたのにもかかわらず、米景気はそこそこ堅調です。それが安心感を呼んでいます。ただし、金利上昇の影響が遅れて深刻になってくる可能性もあります。コロナ補助金でたまった過剰貯蓄が枯渇してくる中、米銀の融資態度は引き締め姿勢となってきていて、その影響が注視されます。

【2】円高リスク

 FRBがややハト派に転じる中、日銀がマイナス金利解除・金利の上昇容認に転じる可能性があったことから、12月に一時円高が急伸しました。ところが、12月19日の日銀金融政策決定会合で、日銀が想定外にハト派だったため、いったん円高圧力は低下しました。

 ただし、これで円高リスクが消えたとは言えません。2024年にFRBが利下げに転じる中、日銀がマイナス金利解除に動けば、2024年にさらなる円高が進むリスクがあります。緩やかな円高ならば、株式市場への影響は限定的ですが、急激な円高になると日経平均が大きく下がる要因となります。

【3】世界各国の政治リスク・地政学リスク

 2024年も世界各国の政治リスク、地政学リスクが株式市場の波乱材料となる可能性が高いと考えます。日本の内閣支持率が危機的水準に低下していること、米国でトランプ前大統領中心に、排他的な自国中心主義復活の可能性があること、中国による海洋進出、台湾海峡・中東・ウクライナの地政学リスクなど、要警戒です。

日本株「押し目買い」方針変わらず

 日本株の投資判断は、いつも述べていることと変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場と判断しています。これからも急落急騰をくり返しながら上昇していくと考えられるため、時間分散しながら投資していくのが良いと思います。

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