過去を清算させるための戦争

 本レポートを作成しているさなかに、筆者の頭の中に一つのキーワードが生まれました。「西側が行った過去の行為を清算させるための戦争」です。

 アラブ人の居住地をユダヤ人が武力で奪ったことについて、その大きなきっかけを作った英国、そしてそれに加担し続けている米国の行為を清算させるための戦争が、イランの支援を受けつつ大規模に勃発した。

 今回の戦争は戦後、断続的に武力で奪われた土地のほとんどを奪還する意図を持った戦争、と言えるのではないでしょうか(ハマスは一部ではなくほぼ全部を奪還したいと考えていると言われている)。

 また、世界の環境改善を盾に脱炭素を進め、産油国の収益を西側に移転させたり(石油収入減→EV等の売上増)、石炭を駆使して発展しているさなかの国を停滞させようとしたりしている西側の行為を清算させるための戦争が2022年2月に勃発した。

 ウクライナ戦争は、西側の考えを逆手にとり、要らないと言われた石油を言われたとおりに出さないことで相手を追い込んでいる戦争、と言えるのではないでしょうか。

 西側は今、非西側から大きな(大きすぎる)しっぺ返しを受けているのかもしれません。もし本当に、数十年間蓄積した恨みが戦争の原動力になっているのであれば、イスラエル・ハマス戦争もウクライナ戦争も、すぐに終わる非常に可能性は低いでしょう。

 それだけでなく、世界各地でこれまで西側が行った所業を清算させる意図を持った別の戦争が勃発する可能性すらあるでしょう。

 いよいよ世界は、危機が底流することが当たり前の時代になったと言えるかもしれません。特に金(ゴールド)は、危機による不安感が相場を押し上げる要因になることがあります(別文脈の下落要因があればその限りではないことに注意が必要)。

 筆者の予感が的中してしまい、今回の戦争が「西側が行った過去の行為を清算させるための戦争」という、これまでにない新しい意味を持っているのであれば、用心が必要です。

 数十年後にこの戦争を振り返った時、あれは「第五次中東戦争」だった、などという事態になることも、ある程度は想定しておいてもよいのかもしれません。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

長期:

純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
純金積立・スポット購入
・投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能)
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中期:

関連ETF
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)

短期:

商品先物
国内商品先物
海外商品先物
CFD
金(ゴールド)、プラチナ、銀、パラジウム