インフレ長期化の懸念あり

 具体的に、産油国はいくらくらいの原油価格を望んでいるのでしょうか。以下は、IMF(国際通貨基金)が示した、主要産油国の財政修正が均衡する時の原油価格です。サウジアラビアは80ドルを超えています。主要な産油国の平均はおよそ73ドルです。

図:主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格 単位:ドル/バレル

出所:IMFのデータをもとに筆者作成

 OPECプラスの減産は、前回の「総点検!2023年上半期、どう動く?下半期」で述べた米国における「減産」と相成り、世界の原油の需給を引き締め続ける可能性があります。そして、具体的な原油価格の落ち着き先が「70~80ドル」となると、現時点で筆者は考えています。

 サウジアラムコを要するサウジアラビア、サウジアラビアとロシアがリーダー格であるOPECプラスの減産(脱炭素起因・長期視点の価格下支え)、米国の生産減少。供給面では長期視点の価格上昇圧力がかかり続けるとみています。

 仮に需要が減ったとしても、多くの人が望まない「景気後退」は長期化する可能性は低く、長期視点では需給ひっ迫は続く、すなわち、インフレは長期化すると考えます。

[参考]エネルギー関連の投資商品例

国内株式

INPEX
出光興産

国内ETF・ETN

NNドバイ原油先物ブル
NF原油インデックス連動型上場
WTI原油価格連動型上場投信
NNドバイ原油先物ベア

外国株式

エクソン・モービル
シェブロン
オクシデンタル・ペトロリアム

海外ETF

iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF
エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド
グローバルX MLP
グローバルX URANIUM
グローバルX 自動運転&EV ETF
ヴァンエック・ウラン+原子力エネルギーETF

投資信託

UBS原油先物ファンド
米国エネルギー・ハイインカム・ファンド
シェール関連株オープン

海外先物

WTI原油(ミニあり)

CFD

WTI原油
ブレント原油
天然ガス