第三国ではなく、非西側と分類すべし

「グローバルサウス」は、西側勢力にも西側と対立する勢力にも属しない、「第三国」といわれることがありますが、筆者はやや異なる考えを持っています。

 先述のとおり、同サミット参加国の多くがロシアを否定しない回答を続けていることや、同サミット参加国全体の自由民主主義指数が低下していることを考えれば、彼らは「非西側」に分類できるでしょう。

図:リーマンショックを起点に考える、西側・非西側間の「分断」とコモディティ相場への影響

出所:筆者作成

 上の図のとおり、リーマンショック後、西側と非西側の分断が深化してきました。先ほどの図「グローバルサウスの声サミット参加国の自由民主主義指数(平均)」が、2010年ごろから低下し始めたことと、一致します。

 リーマンショック後、西側は経済力や政治力を回復させるべく、「環境問題」「人権問題」を提起しました。非西側への配慮を欠いた状態で解消に向けて進み始めたことで、西側と非西側の分断は深まりはじめ、その延長線上でウクライナ危機が勃発したと、筆者は考えています。そして同危機が勃発したことで、分断解消が困難になっています。

 同サミット参加国においても、「脱西側」のムードが強まりはじめ、彼らによる、分断起因の「資源の出し渋り(武器利用)リスク」が高まっていると考えられます。非西側に含まれる彼らの動向に、注意が必要です。