火力発電向けの燃料価格が高止まり
電力価格を左右する要因は、さまざまな支援策や需要動向だけではありません。これらの要因よりも、時間軸が長くインパクトが大きいのが、発電コストに直接関わる「燃料価格」の動向です。以下は日本における電源構成です。
図:日本の電源構成および発電量 単位:億kWh
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2011年(東日本大震災により原発事故発生)から2014年まで、原子力による発電が減少しましたが、2015年以降は増加しています。同時に、再生可能エネルギーによる発電が増加しています。
これら起因の発電量の増加は、環境問題への対応が進んでいることを示唆しています。また、発電量の総量が長期視点で減少した点は、省エネ(環境問題改善にも寄与)が進んでいることを示していると、考えられます。
長期視点で環境問題への対応が進んでいることがうかがえる日本の電源構成ですが、同時に、まだまだ「火力発電」に頼っていることをも、浮き彫りにしています。2021年の電源構成に占める火力(天然ガス、石炭、石油)の割合は72.9%です。7割以上の電力が、(程度は異なれども)燃焼時に二酸化炭素を排出する燃料によってもたらされているのです。