ロシアと中国は「8,100トン」を目指す?

 非西側主要国の急先鋒であるロシアと中国は何を目指しているのでしょうか。「基軸通貨の奪取」であるとすれば、「米国」を想定したゴールが浮かび上がります。金(ゴールド)の保有数量、「8,133トン」です。

 2023年3月時点のロシアの金(ゴールド)保有高は2,326トン、中国は2,068トンです。ここから両国ともに、6,000トンもの金(ゴールド)を積み上げることができるのでしょうか。

 ここで注目されるのが、両国の金鉱山生産量です。ロシアは世界2位でシェア9.2%、中国は世界1位でシェア9.3%です。ともに年間300数十トンの金(ゴールド)を生産しています。

 もし彼らが本当に、「脱西側」の本丸ともいえる「自国通貨の基軸通貨化」を狙っているのであれば、ここから数十年間かけてコツコツと自分の国で産出した金(ゴールド)を積み上げていく可能性があります(モノを持つ国は強くてしぶとい)。

図:主要国(中央銀行)の金(ゴールド)保有量 単位:トン

出所:WGCのデータをもとに筆者作成

 同時に、彼らが行う長期的な保有高増加は、非西側主要国の「脱西側」の象徴となり、そこに「分断」が存在することを強く印象付けるでしょう(「有事ムード」と「見えないリスク」を同時にあおる)。

 ロシアや中国の中央銀行による長期的な保有高増加は、複数のテーマ起因の上昇圧力を生み、長期視点の金(ゴールド)価格の上昇要因になり得ます。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

長期:

・純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
純金積立・スポット購入
・投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能)
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中期:

・関連ETF
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)
・関連個別株
バリック・ゴールド(GOLD)
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
フランコネバダ・コーポレーション(FNV)
ゴールド・フィールズ(GFI)

短期:

・商品先物
国内商品先物
海外商品先物
・CFD
商品CFD