ナスダック100上位銘柄の年初来騰落率に注目

 最近のナスダック100種指数の復調をリードしている銘柄群に注目したいと思います。図表3は、ナスダック100種指数の構成銘柄について時価総額(ドルベースと円換算を併記)の大きい順(降順)に10銘柄を示したものです。

 これら銘柄群の「年初来騰落率」をみると、総じて「GAFAM」と呼ばれるアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズに加え、エヌビディア(半導体)、テスラ(EV)、ASMLホールディング(半導体製造装置)などの大手ハイテク株のパフォーマンスが堅調であることがわかります。

 中でも、3月にアップルは11.9%上昇し、マイクロソフトは同月に15.6%上昇しました。特に最近のAI(人口知能)ブームで、業績見通し好調が期待されているエヌビディアの年初来騰落率は+83.9%となっています(4月5日時点)。

 これらの株価上昇は、FRBによる金融引き締めと債券金利上昇の影響を被り昨年下落した反動とも考えられますが、債券金利のピークアウト感や「FRBによる利上げ打ち止めが近い」との観測も支援要因と考えられます。こうした大手ハイテク株の堅調が続くことは、ナスダックにおける物色を広め、市場平均(S&P500)の復調に与える影響も大きいと考えられます。

 4月は四半期(1-3月期)決算やガイダンス(業績見通し)が発表されることから、短期的には株価の上下が想定されます。中期的な視点でナスダック100指数の復調が続くかどうかに注目したいと思います。

<図表3>ナスダック主力株の中でハイテク株が優勢

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2023年4月5日)

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