今週の予想

今週は需給の重さは残るものの、割安感は強く底堅さを取り戻す展開に期待

 先週末の米国市場は、いったん落ち着いたかにみえましたが、前日に支援が発表された米国地方銀行のファースト・リパブリック・バンクが再び▲32.8%と急落となり、クレディ・スイス銀行も下落したことにより金融システム全体への警戒感が生まれ、日本の相場に与える影響を見極めることが第一です。

 米国では、当局が次々に手を打っているので下落は一過性のものと考えられますが、まずは21~22日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ幅と今回の金融不安を踏まえてどういう内容になるのか注目するところです。

 日経平均株価は9日に先物主導で2万8,734円まで強引に上昇させられた面があり、その結果、下落も大きく、ここから2,102円安い2万6,632円まで下げました。相場を盛り上げてきたバリュー株(割安株)の多くも値崩れして、指数も戻りが重くなっています。

 急激な株価調整が起こりましたので需給の重さはしばらく残るものの、割安感は強く底堅さを取り戻す展開が期待されます。

 買いに偏っていた日本株の反動は厳しいものの、短期間で値幅調整となったことで、そろそろ底打ちしてもおかしくありません。日経平均の週足チャートは、昨年からボックス相場を形成しており、その下限が2万6,000円前後となっているため、再度下落しても、この水準が当面の下値メドと考えていいでしょう。「3月彼岸底」が経験則で意識されることになります。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、米国発の地銀破綻からの金融株全体への警戒感が高まっており、日本株式に与える影響を見極めるところです。特に21~22日のFOMCで利上げ幅と今回の金融不安を踏まえて、どういった内容になるのか注目となります。日本株は祭日を挟んで4営業日ですので様子見が基本となります。

先週の動き

 先週の予測では、2万7,500~2万8,500円のレンジの中で、下値を確認したあと2万8,000円水準のもみあいとしました。

 ところが、米国で地方銀行の破綻が相次ぎドル安・円高も進行したことで一段安となりました。

 週始めの3月13日(月)は、一時▲512円の2万7,631円まで下げて、終値は▲311円の2万7,832円、14日(火)は、▲728円の2万7,104円まで下げて、終値では▲610円の2万7,222円、15日(水)は、小反発したあと、16日(木)は、金融不安が欧州に飛び火したことで、▲596円の2万6,632円まで下げて、終値は▲218円の2万7,010円、週末は、前日の欧米株式が反発したことで、終値は+323円の2万7,333円でした。