国内金(ゴールド)小売価格、最高値更新

 3月8日に米シルバーゲート・キャピタルが銀行業務を清算、10日に米シリコンバレーバンクが破綻、12日に米シグネチャー・バンクが事業停止、19日にクレディ・スイスが同国金融最大手のUBSに買収(救済)される・・・欧米では銀行を巡る不安の連鎖が起きています。

 こうした不安の連鎖を受け、国内の金(ゴールド)小売価格は、騰勢を強めています。

図:国内金(ゴールド)税抜小売価格(月間平均 2023年3月17日時点) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 3月17日には、国内大手地金商の税抜き金(ゴールド)小売価格は1グラムあたり8,140円を超え、史上最高値を更新しました。不安の連鎖が、さまざまな経路で金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけていると考えられます。

 今回は、国内外の金(ゴールド)価格の推移と、銀行を巡る不安連鎖の背景と今後の動向について、筆者の考えを述べます。