注目が集まる米国のエネルギー「中流」部門

 EU向けのエネルギー輸出量を増加させている、米国の石油業界の動向を確認します。

図:石油・天然ガス産業の「上流・中流・下流」(米国をイメージ)

出所:GPA Midstream、JOGMECなどの資料をもとに筆者作成

「中流」に注目します。シェール主要地区などで生産された原油や天然ガスを、処理したり貯留したり、パイプラインで輸送したりするのが「中流」です。EUはもちろん、米国国内の需要をまかなうため、「上流(探索・生産)」と「下流(精製・製品供給)」の間をつないでいます。

 冒頭で述べた「MLP」は、主に米国石油中流部門のインフラを保有・管理し、これらを収入源とする投資事業形態です。似た形態に、不動産の賃料収入を収益源とするREIT(不動産投資信託)が挙げられます。

 米国には数十のMLPがあり、これらはナスダックなどに上場しています。日本でMLPに投資をするとなると、多数のMLPを一つにまとめたETF(上場投資信託)や投資信託から、選ぶことになります(関連する投資商品は多数ある。巻末を参照)。