CRB指数はドル指数と反対に動いた

 ここからは、ドルの動向が、コモディティ(商品)の国際指標の動向に影響を与えている様子を確認します。

「CRB(シーアールビー)指数」は、コモディティ市場全般の価格動向を示す指標として各所で用いられています。指数の配分比率は、エネルギー(原油、暖房油、天然ガスなど)が39%、穀物(トウモロコシ、大豆、小麦)が13%、その他農産物(砂糖、コーヒー、綿花など)が28%、貴金属(金、銀)が7%、非鉄金属が13%です。(2021年9月時点)

 そのCRB指数の動向は、以下のとおり、今年6月上旬以降、下落しています。下落の仕方(下落途中の山と谷)が、金(ドル建て)と非常に似ていることがわかります。足元、CRB指数と金(ドル建て)は「似たように動いている」わけです。

 これらの動きと、おおむね正反対に動いているのが、「ドル指数」です。「ドル指数」は、複数の主要国通貨に対する、ドルの総合的な強弱を数値化したものです。上昇すればドル高、下落すればドル安です。指数の内訳ではユーロが57%、日本円が13%、英国ポンドが11%、カナダドルが9%、スウェーデン・クローナが4%、スイス・フランが3%程度とされています。

図:CRB指数、金(ゴールド)、ドル指数の推移

出所:QUICKおよびInvesting.comのデータをもとに筆者作成

 6月上旬以降、一言で言えば、「ドル高・コモディティ(金を含む)安」だったわけです。先述の「ドル高は、ドル建て商品(国際指標)に下落圧力をかけている」という点と、符合します。