「ドル高・円安」とコモディティ相場

 ここからは、「ドル高・円安」がもたらす、コモディティ相場への影響を確認します。以下のグラフは、同じ商品でありながら、異なる通貨で取引されている銘柄同士の騰落状況を比較しています(参照期間は先程と同様)。

 金(ゴールド)のドル建てと円建てを比較すると、円建ては2.8%上昇したのに対し、ドル建ては14.7%下落しました。銀は円建てとドル建て、ともに下落したものの、円建ての下落率はドル建てよりも軽微でした。プラチナとトウモロコシは金(ゴールド)と同様、原油は銀と同様でした。

図:同商品・異通貨銘柄の騰落率 2022年3月31日と9月30日を比較

出所:QUICKおよびInvesting.comのデータをもとに筆者作成

 ドル高はドル建て商品(国際指標)に下落圧力をかけ、円安は円建て商品に上昇圧力をかけていると言えるでしょう。通貨の動向が変動要因の全てではないものの、特に、足元の国際指標の動向を考える際は、ドルの動向に注視する必要があると言えます。