楽観禁物だが、下落が止まるサインも?

図3 日経平均(日足)75日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2022年9月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 続いてのサインは、75日移動平均線乖離(かいり)率の動きをボリンジャーバンド化したものです。

 先週末30日(金)時点の75日移動平均線乖離率はマイナス5.65%となりました。上の図3では2020年後半からの乖離率の推移を示していますが、マイナス5%乖離の水準が下値の目安となっている場面が多くあり、今回についてもひとまず下落が止まる可能性を感じさせます。

 もちろん、チャートの真ん中にある、今年3月の年初来安値を付けに行った時のように、乖離率がマイナス10%を超えるところまで下振れたケースもあるため、楽観はできません。

図4 日経平均(日足)の値幅観測(2022年9月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 そして、三つめのサインが値幅観測(株価の目標計算値)によるものです。

 上の図4で具体的に見ていくと、基準となる値幅として、昨年9月高値から今年3月安値にかけての下げ幅(6,114円)、その3月安値から同月の戻り高値にかけての上昇幅(3,657円)、そして、昨年9月高値と3月の戻り高値の上値の切り下げ幅(2,457円)の三つを用いて、今後の想定される値幅を計算しています。

 計算値の種類は、「VT計算値」、「N計算値」、「V計算値」、「E計算値」の四つがあり、VT計算値とN計算値については、3月の戻り高値を基準に下げ幅を計算し、V計算値とE計算値については3月安値を基準に下げ幅を計算していきます。

 計算の結果は図4にもあるように、VT計算値(2万5,931円)、N計算値(2万2,224円)、V計算値(2万1,024円)、E計算値(1万8,567円)となります。V計算値とE計算値については、図に収まらないほど下方に位置しています。

 3月以降の日経平均は株価の上げ下げを繰り返す展開が続いていますが、下落がストップした株価をみると、2万6,000円台を少し下回ったところで、大体VT計算値あたりであることが分かります。先週末30日(金)も同様の株価水準で取引を終えていることもあり、今回についても下げ止まり感が出てきてもおかしくはなさそうです。