CPI発表から12時間の各種銘柄の変動率を確認

 9月13日(火)21時30分(日本時間)、米国で8月の「CPI(消費者物価指数)」が発表されました。足元の物価動向を示す、FRB(米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会)が、目先の金融政策を決定する上でもっとも重要視している経済指標です。

 CPI発表後、さまざまな銘柄の価格が急激に動きました。以下は主要銘柄の変動率です。

図:CPI発表直前と12時間後の各種銘柄の変動率

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 今回、物価高の程度が予想を超えたため、「強い物価高」→「FRBによる大幅な金利引き上げ観測浮上」→「景気減速懸念強まる」→「景気動向に敏感な銘柄の価格下落」という流れが強まりました。

「ショック」が冠されて報じられるほど、景気動向を示す株価指数や非鉄金属は軒並み、「急」が付く下落となりました。同時に、「FRBによる大幅な金利引き上げ観測浮上」→「ドル金利上昇観測」→「ドル保有妙味増幅」→「ドル高」という流れも強まりました。

 これらの結果が、上のグラフです。CPI発表直前とその12時間後を比べると、景気動向を示す株価指数やそれに連動しやすい非鉄金属が急落し、逆にドル指数と米10年債利回りが上昇しました。

 ただ、報じられているような、「株急落・ドル急騰」だけではないことがわかります。天然ガス、小麦、トウモロコシ、原油などのいわゆる「ウクライナ関連銘柄」は、上昇、あるいは軽微な下落です。これらが株やドルと、どこか一線を画す動きになっているのは、なぜなのでしょうか。