根本原因を解決。インフレ退治にはそれしかない

 西側はいち早く「インフレの回転ケージ」から降りなくてはなりません。それには、インフレの根本原因を解決する必要があります。そうしなければ、いつまでも場当たり的な策を繰り出し続けたり、景気を必要以上に悪化させる利上げを強行し続けたりしてしまいます。

 これではいつまでたっても、インフレを沈静化させることができないだけでなく、ロシアに利する時間を長期化させてしまいます。

 ウクライナ危機が長期化すると、どのようなことが起きるのでしょうか。西側に甚大なダメージを与える事象が、複数発生する可能性があります。

 ウクライナ危機が存在する以上、「買わない西側・出さないロシア」は続くでしょう。同情勢が長期化すればするほど、ウクライナ関連銘柄の需給ひっ迫が進む可能性があります。

 数カ月すれば、西側が位置する北半球は冬になります。西側は、ウクライナ危機を抱えたまま、冬を越すことができるのでしょうか。暖房用の燃料、発電用の燃料が必要な時期が迫っているわけですが、ここで今、比較的西側寄りの国々による、化石燃料の囲い込みが目立ち始めています。

 インドネシアが石炭の輸出を一時的に禁止(9月末まで)、オーストラリアがLNG(液化天然ガス)の輸出制限を検討、などが報じられています。いずれも理由は、「国内の安定供給のため」です。

 ウクライナ危機が存在し、全体的な供給不安が起きているからこそ、まずは自分たちの国の安定化を優先する、という至極まっとうな考え方です。同危機が存在する以上、今後も絶えず、こうした動きは散見されるでしょう。

 また、先述のように、西側という「脱炭素」の共通の敵と対峙するように、産油国、あるいは産ガス国の結束が強まる可能性があります。そしてそうした結束をさらに強固にすべく、中国が彼らからエネルギーを購入し、供給側と消費側の結束が強まる可能性があります。

 引き続き、ウクライナ関連銘柄が、高止まりする可能性があることに、注意が必要です。

[参考]コモディティ(全般)関連の投資商品例・投資信託

iシェアーズ コモディティ インデックス・ファンド
ダイワ/「RICI(R)」コモディティ・ファンド
DWSコモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)
DWSコモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Bコース(為替ヘッジなし)
eMAXISプラス コモディティ インデックス
SMTAMコモディティ・オープン

ETF

iPathピュア・ベータ・ブロード・コモディティETN (BCM)
インベスコDB コモディティ・インデックス・トラッキング・ファンド (DBC)
iPathブルームバーグ・コモディティ指数トータルリターンETN (DJP)
iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト (GSG)