プラチナ「今安く・今後高くなる可能性がある」

 以前の「暴落の嵐で浮き出たプラチナ積み立ての有効性」で書いたとおり、効率の良い積立投資を行うために必要なことは、「今安く・今後高くなる可能性がある」銘柄を選択することです。「今安い」ことは、数量を効率的に増やすことに貢献し、「今後高くなる」ことは、増やした数量を効率的に収益化することに貢献するからです。

「数量」が重要視される積立投資に、「今高い」銘柄はなじみません。「今高い」と、効率的に数量を増やせなくなるだけでなく、収益化の難易度が上がってしまうためです。(向こう数十年間、史上最高値を更新し続ける銘柄など、あるのでしょうか?)

 積立投資をするのであれば、「今安く・今後高くなる可能性がある」銘柄を探すことが賢明でしょう。

 その意味では、2015年に発覚したドイツ自動車大手フォルクスワーゲン社のスキャンダルをきっかけに、一部で需要は増えないと強く認識され、近年は価格が低位で推移している(今安い)一方、「脱炭素」をきっかけに、これまでにない新しい需要が増加し、長期視点で価格が高くなることが予想されるプラチナは、まさに、積立投資に適していると言えるでしょう。

 以下のグラフのとおり、「脱炭素」を背景に、長期視点で、プラチナ相場の変動領域は現在よりも高くなると考えています。

図:プラチナ価格の推移 単位:ドル/トロイオンス

出所:世界銀行のデータをもとに筆者作成