抜け穴1:対象の海上輸送は少ない可能性あり

 以下の資料は、ロシア産原油の通関地域と数量などを示しています。ロシア連邦税関庁のデータによれば、2021年、ロシア産原油の18%が海に隣接している地域から、82%がしていない地域から輸出されました(数量ベース)。

図:ロシア産原油の通関地域と数量(2021年) 単位:千バレル

出所:ロシア連邦税関庁のデータをもとに筆者作成

 ロシア産の多くが今回のG7の策の対象とならない、陸上輸送(パイプラインでの輸送)で運ばれている可能性があります。そもそも、策の設計に抜け穴があるのです。