先週のNYダウ終値2万9,590ドル、節目の3万ドル台割れ

図4 米NYダウ(日足)の動き(2022年9月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末23日(金)の米NYダウ終値は2万9,590ドルとなり、節目の3万ドル台割れとなったほか、6月17日の安値(2万9,653ドル)も下回っています。

 ローソク足の形に注目すると、米8月CPI(消費者物価指数)が公表された9月13日と、先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けた9月21日に大きな陰線が出現しています。

 前者では、直近の戻り基調を打ち消したほか、6月17日と7月14日の安値同士を結んだ「下値ライン」を下抜けてしまい、後者では7月14日の安値を下回って、株価下落の加速スイッチとなり、週末の3万ドル台割れへとつながっていきました。

 では、米NYダウがこのまま下値をトライする展開が続いてしまうのかについても考えていきます。

図5 米NYダウ(週足)とMACD (2022年9月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図5は米NYダウの週足チャートと下段にMACDを表示させたものです。

 先週末時点のNYダウは、2020年3月27日週の安値と2022年1月7日週の高値を基準に描いたギャン・アングルの「2×1ライン」を下抜け、「3×1ライン」を目指すような位置取りとなっているほか、下段のMACDもシグナルとの下抜けクロスが出現するなど、さらに下値をトライしそうにも見えます。

 なお、先週末時点の「3×1ライン」は2万8,150ドルあたりですので、まだ1,400ドルほどの下落余地がありそうです。

 確かに、先週のFOMCでは、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融政策のタカ派スタンスがあらためて強調され、今後の株式市場が景況感への悪化を織り込んでいく動きが想定されます。

 ただし、来週からは10月相場入りとなり、月初の米9月雇用統計や、中旬からは企業決算シーズンが本格化します。

 先週からの売りが一巡した後は、経済指標や企業業績を見極めたいという思惑が働きやすいタイミングであるほか、チャートを過去にさかのぼると、足元の株価水準は、いわゆる「コロナ・ショック前」とほぼ同じでもあるため、ここからの株価下落局面では意外と買いが入ってくることも考えられます。

 また、最後に株価材料についても確認していきます。